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出版社内容情報
ジェフ・パッサン[ジェフパッサン]
棚橋志行[タナハシシコウ]
内容説明
投手の故障率50%、肘の手術率25%。MLBは投手の故障によって、毎年5億ドルをドブに捨てている。最先端の医学と巨額の資金に支えられる「大リーグ」においてすら、なぜ腕は壊れ続けるのか。甲子園の投げ過ぎ問題に警鐘を鳴らした敏腕記者パッサンが1095日にわたりアメリカ人投手を密着取材。日本の事例も取り上げ、投手の故障の問題とトミー・ジョン手術のすべてに迫った、NYタイムズ・ベストセラー、傑作ノンフィクション。
目次
死人の腱
投手の肘を壊すもの
歴史を変えた男たち
歴史の証言
未来のスター選手
球数制限
ジョン・レスター争奪戦
2度目の手術
リハビリ地獄
失意と不安
もうひとつの野球大国、日本
変化の兆し
解決法の沼
明暗
新たな展望
春
著者等紹介
パッサン,ジェフ[パッサン,ジェフ] [Passan,Jeff]
10年以上にわたり米国Yahoo Sportsで活躍するベースボール・コラムニスト。カンザス州在住
棚橋志行[タナハシシコウ]
1960年生まれ。東京外語大英米語学科卒。出版社勤務を経て、翻訳家の道へ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Garfield
4
★★★★★☆☆
yyrn
4
痛む肩をさすりながら読んだ。非常に身につまされた(ウソ。五十肩で痛いだけ)。十代のころから酷使されいつ壊れるか分からないメジャーの投手たちの肩や肘。その危険を知りながら一人の選手に1億ドル!を超える投資をやめないGMやオーナーたち。そんな異常な米球界の話はウンザリだが、再起をかけてトミー・ジョン手術を受ける選手たちの葛藤や不安は痛いほど理解できた。能力ある選手たちの成功は願ってやまないが、巨額が動く世界に資本主義の利益偏重の成れの果てを見たようで読後感は空しさが漂った。肘手術の低年齢化にも心が痛む。2017/05/18
tkokon
4
【びっくり】ジョーブ博士・トミー・ジョン手術。ちょっと野球に詳しい人は必ず一度は耳にする言葉。現在は大リーグお投手の四人に一人は、肘のUCL(内側側副靱帯)を断裂し、この手術を受けている。復帰には1年以上がかかり、エースの離脱は球団経営にも大きな影響を与える。にもかかわらず、この発生を回避する方法論が全く確立されていない。プロスポーツで「最もリスクの大きい体の部位」かもしれない。日本でも数限りない若い才能が「投げすぎ」によって決定的に肘を損ねているのだろう。スポーツ予防医学の進化を願わずにいられない。 2017/04/01
酒井義仁
1
トミージョン手術、ジョーブ博士と日本人には馴染みのある話だが、そのリハビリにかかる時間と過酷さは知ることがなかった。また、再発に関しても頻発する。確固たる予防法がなく、球速がアップする現代野球においては、発症の低年齢化が球界としての課題となっている。総投球数と前回投球数などは、かなり重要事項ではないかと思われる。本書でコマンドという、日本では馴染みが薄いがコントロールの上をいく概念を知れたのもよかった。2017/04/19
spike
1
アメリカではトミー・ジョン手術が低年齢化していること、あまりに多くの大リーグ投手が肘や肩を故障していることにとても驚かされる。確かに日本人投手も軒並みそうだった。そこから再起しようともがく男たちの生きざまがズシンと重い。斎藤隆の解説を読み、こんなにしっかりとした野球への考え方を持っていたのかとびっくり。2017/04/09