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出版社内容情報
トム・ミッチェル[トムミッチェル]
矢沢聖子[ヤザワセイコ]
内容説明
たった一羽、生き残ったペンギン―君を助けたあの日、すべては始まった。若き教師に助けられ、ペンギンは学校の屋上で暮らすように。ふたりが最高の親友になるまでを綴った実話。
目次
ペンギンを拾う
マゼランペンギン
バスタイム
フォークランド諸島は禁句
おかしな税関
小魚をあげるから
紆余曲折を経て
新しい友人たち
掘り出し物
屋上談話
動物園を偵察に
マスコット
マリアの家へ
ペンギンを探して
黄金郷を探して
「僕、泳げる?」
そして、いつまでも幸せに暮らしました―
あのころを振り返って
著者等紹介
ミッチェル,トム[ミッチェル,トム] [Michell,Tom]
イングランド南部の農村に生まれ育ち、動物や鳥類、地球への愛情をはぐくんだ。アルゼンチンでの暮らしを終えたあとはコーンウォールに戻り、家業である農園経営を手伝うように。人と自然がうまく共存していける道を提唱している。結婚後、4人の子供と3人の孫に恵まれた
矢沢聖子[ヤザワセイコ]
英米文学翻訳家。津田塾大学卒業。幅広いジャンルの翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
125
人間が野生動物を助ける為とはいえある意味興味本意に接触してはダメ…というのが現代社会の常識なのだろうが、それこそ人間様の勝手な動物愛護の在り方で、窮地に陥った彼らにとっては知ったこっちゃないだろう。半面、動物を飼育して飽きれば無責任に投げ出す人間が数多く存在するのも事実ではあるのだけれど…さて最後に証されたその助けられたペンギンが海に連れて行かれた時に自然に戻ることなく著者を選ばざるを得なかった理由のそのせつなさに涙でした。2017/07/29
Willie the Wildcat
87
出会い、”密輸”、葛藤を踏まえた決意の果ての突然の別れ。思い出が走馬灯のように駆け巡る。遺した「希望」。同感。守護神、”カウンセラー”など、有形無形にフアンが接する人々の心の拠り所となる1つ1つのエピソードが温かい。特に、デイェゴの”開眼”は、フアンの存在感を象徴。一方、バルデス半島での著者の苦悩と判断は、もれなくControversial。”代償”、いや、喜びはもちろんだけど、悲しみも何もかもひっくるめての出会いからの贈り物ですよね!なお、挿絵が愛らしい。敢えて選ぶなら「ヒナがかえるかな?」ですね。2018/09/09
アン
81
ウルグアイの海岸で、重油にまみれた一羽のペンギンを助け学校に連れ帰った事から、教師である著者と生徒達の心温まる日常が始まります。ペンギンのユーモラスで愛らしい仕草は皆を虜にし、人々の話に熱心に耳を傾ける佇まいから、信頼関係を獲得していく様は微笑ましい程です。アルゼンチンの激動の時代の人々の様子にも触れ、海の汚染による動物の危機を訴えかけている事も見過ごせないでしょう。ペンギンは人々を勇気づけ、癒し、希望というかけがえのない贈り物を残してくれます。素敵なノンフィクションです。 2019/05/04
yukision
57
冒険心あふれたイギリス人青年と、彼が助けた重油まみれのペンギンとの出会いと別れ。石油を洗い落とそうと四苦八苦する筆者に容赦なく反撃してくるペンギンが急に協力的になったり、やむなくペンギンを連れてこっそり国境を超える羽目になるエピソードが特に好き。そして、「午後の日差しを浴びてペンギンと一緒に歩いてて幸せじゃない人なんていないよ」というおばあさんの言葉も好き。2020/05/28
アナーキー靴下
46
日本人はペンギン好き、と聞いたことがある。ソースは知らないが、少なくとも私は大好きだし、信憑性を疑うまでもないだろうと思っていた。しかしこの本を読んで、その認識が誤っていたことを知った。ペンギン好きは日本人に限らず、世界中の人間が、ペンギンを前にしたら愛さずにはいられないのだ。上流階級のパーティー主催者のごとき振る舞いで、エチケット違反でなければ、このまま足を止めてあなたとだけ話したかったと暗黙のうちに彼から言われたような気持ちになる、だなんて、そんな紳士に屈しない人間がいるだろうか。絵も可愛いすぎる。2020/11/26