内容説明
国の最高司令官の毒見役となって死刑を免れた日から8年―いまでは敵対国との間を繋ぐ連絡官を務めるイレーナだが、ある夜事件は起きた。何者かに毒矢で射られ、いっさいの魔力を失ったのだ。絶対絶命の窮地に陥ったイレーナ。頼みの綱のヴァレクもまた、長年固い絆で結ばれていた最高司令官との関係にいま、暗雲がたちこめ…。新たな敵、試される信頼と裏切り。“霊魂の探しびと篇”開幕!
著者等紹介
スナイダー,マリア・V.[スナイダー,マリアV.] [Snyder,Maria V.]
ペンシルバニア州フィラデルフィアで生まれ育つ。気象学に興味を持ち、大学に進んで学士を取得。その後、気象学者となったのち小説家に転身した。毒見役の少女イレーナが主人公となる著者の処女長編『毒見師イレーナ』はNYタイムズベストセラーリスト入りを果たし、一躍人気作家の地位へ
宮崎真紀[ミヤザキマキ]
英米文学・スペイン文学翻訳家。東京外国語大学スペイン語学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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future4227
50
待望の新作。シリーズ4作目。ファンタジーはあまり読まないのだけれど、1作目を読んでしまったら続きが気になってここまで来てしまった。表題の通り、正体不明の敵の襲撃を受けた最強の魔術師イレーナが魔術を失ってしまう。でも、魔術がなくても普通に戦闘能力が高いところが彼女の凄いところでもある。今回はどちらかというとイレーナの恋人ヴァレクの生い立ち、最高司令官との関係がメインかな。みんなそれぞれに凄まじい過去を背負ってる。そして最後に衝撃の一言。あぁ、また続きを読まなきゃ。2018/02/25
しゅてふぁん
45
新たな三部作。今回はイレーナ、ヴァレク、ジェンコの三方向から物語が進む。それぞれちょうどいいところで語り手が変わるのでヤキモキした。しかも、最後の最後にイレーナは爆弾発言するし…。イレーナもヴァレクも大切なものを失くし、敵に命を狙われ、精神的にも肉体的にもしんどそう。早く色んなしがらみから二人を解放してあげたい。2020/08/29
星落秋風五丈原
44
前作から七年。表紙の衣装も肩丸出しファッションからマントを被ってちょっと大人びている。緊張感漂う両国の事情を知る調停者的ポジションにいたイレーナは、何者かに毒矢で射られて魔力を失ってしまう。「かわいい殺し屋さん」て訳にめっちゃ違和感あるんですけど!途中ムーン薬という避妊薬が登場するが、レイ・カーソンの白金の王冠といい、いまやファンタジーにも避妊テクニックが登場する時代になったか。2018/09/23
るぴん
39
前3部作から6年後を舞台にしたソウルファインダーシリーズ1作目。読み始めてすぐ色々「?」な部分があったのは、6年の間に『glassシリーズ』という翻訳されていない3部作があるかららしい。何者かに襲われ、魔力を失ってしまったイレーナ。絶対の信頼で結ばれていた最高司令官との絆が揺らぐヴァレク。今回はイレーナ、ヴァレク、ジェンコの3人の視点から物語が進むのが新鮮。特にヴァレクの過去の回想が面白かった。最高司令官の企ては、やっぱりイレーナに対する嫉妬じゃないのかなぁ。最後の一言には驚愕!あぁ、早く続きを〜‼︎2018/02/09
たまきら
38
毒見師として生き残った少女が、恐るべき魔力を開花させ暗殺者として恐れられている男性と愛し合うようになり、祖国と育った国両国の間で連絡官としての役目を見出す…という前シリーズより数年後から、このシリーズが始まります。何者かに襲われて魔力を失った彼女。同時に愛するヴァレクも長年信頼しあってきた最高司令官との間に亀裂が生じ…。今回も展開が早く、最後は爆弾発言で終わる…という、これは完結した状態で読むことができて本当に良かった…という感じ。ただ、あまりにも知らない登場人物がニョキニョキ登場するので、混乱します。 2022/03/29