内容説明
ぼくはシリアル・キラーだ。感じのいい仮面の裏で女たちを襲っては、自宅地下室の檻に監禁して殺している。ある夜、新たに地下室に迎えたエリカのためスーパーへ買い出しに行ったぼくは、美しく謎めいたレジ係のレイチェルに心奪われる。無論、その時は知る由もなかった。彼女に近づくにつれエリカとの力関係も崩れはじめ、完璧な殺人鬼ライフが制御不能になろうとは…。英国発の話題作。
著者等紹介
キャメロン,グレアム[キャメロン,グレアム] [Cameron,Graeme]
イギリスのノーフォーク在住。『ぼくは君を殺さない』で作家デビューを果たす
鈴木美朋[スズキミホウ]
大分県出身。早稲田大学第一文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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*maru*
38
語り手はシリアル・キラーの“ぼく”。監禁したり、殺したり。“彼女”1人では満足できず、他の女の子に目移りしたり。それほどグロいシーンもなく、サイコパスものにしては軽めの内容。斬新な切り口で新鮮味もあり「これはもしや!」とワクワクしながら読み進めたが…それほどでもなかったパターンでした。もっと冷徹で救いようがなくてずっしり重めの作品が好きな私のような変態には、ちょっと語り口が軽すぎたかな。とっても魅力的なストーリーではあるんだけどね。本書が長編デビュー作らしいので、もし続編などあれば読んでみたい。2019/04/22
future4227
28
主人公は連続殺人鬼。終始、殺人鬼視点で語られていく所が斬新な作品と言えよう。まるで日課のように次から次へと女性を殺していく一方で、たまに助けたりしちゃうもんだから、一体誰がどうなって誰をどうしたのか、よくわからなくなってしまう。グロい描写はないけれど、ユーモアを交えて軽ーい感じでサクサク殺していくのが、ある意味冷酷で恐ろしい。後半はストックホルム症候群を超越する展開が待ち受けていて、全く結末が予想できない緊張感が続く。一言でいうと鬼の目にも涙という所か。2016/07/23
つぶあん派
15
シリアル・キラーの「ぼく」が、一人の女性との出会いによって「おかしく」なっていく話。殺した女性の友人・エリカを連れ去った「ぼく」。エリカという人物が出るならと読んでみたが、いやーエリカちゃんの強気なところがなかなか素敵でした。「ぼく」もレイチェルに出会ってからの心の動きと混乱がリアルで、なんでか感情移入しちゃいました。鳥肉のロースト・オレンジ風味やアメリカ風パンケーキとメープルシロップの組み合わせに食欲をそそられた。風変わりだけれどそこそこ笑える。でもシリアル・キラーだからもちろん殺しもある。2016/03/20
tom
13
サイコパスの殺人者に恋心が芽生えて、それまでの外見的には残虐、主観的には平穏という生活の歯車が狂い始めて・・・という物語。なかなか珍しい設定だけど、むしろユーモア小説として読むべき物語のよう。2016/12/20
はるな
10
殺人鬼の“ぼく”は、何人もの女性を自宅の地下にある監禁室に閉じ込め殺害してきた。完璧だったぼくの殺人鬼ライフは、レイチェルという女性に一目惚れしたことから一転してしまう。 うーん、全体的に文章が苦手(^^;)中々読み進めることができず、こんなにも時間がかかってしまいました。ラストは面白かったのですが、再読はしないかも…。2016/11/26