内容説明
娘の手術費用のため、やむなく誘拐を決意したミョンジュン。ところが目的の豪邸から飛び出してきた少女ロヒをうっかり車ではね、その衝撃でロヒは記憶を失ってしまう。ミョンジュンはとっさに父親を名乗るものの、天才児と評判のロヒに口で敵わずこき使われる。そんななかロヒの家から両親の死体が発見され、ミョンジュンは殺人の容疑者に―。韓国で話題沸騰、巻き込まれ型ミステリー!
著者等紹介
チョンヘヨン[チョンヘヨン]
1981年生まれ。2013年に長編小説『ダブル』でデビュー。2016年YES24電子連載コンテストの“事件と真実”部門で『ポンミョンアパート イケメン捜査日誌』が大賞を受賞、2018年CJ E&Mとカカオページ共同主催の推理・ミステリー・スリラー小説コンテストで『私が殺した』が金賞を受賞
米津篤八[ヨネズトクヤ]
朝日新聞社勤務を経て、朝鮮語翻訳家に。ソウル大学大学院で朝鮮韓国現代史を学び、現在は一橋大学大学院博士課程在学中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
79
じっくり面白い一冊。散らばる要素を繋ぎながら、じっくり読める面白さの韓国ミステリ。娘の高額手術費用のために誘拐を計画した主人公が誘拐犯どころか殺人犯へ…と思いもよらぬピンチに巻き込まれていくストーリーは次々と取り囲む不可解さをベースにコメディっぽさあり、時にうるっとくることもありで完全に誘拐ドラマに呑み込まれた気分。登場人物各々の抱えているものが明らかになるにつれ、ある程度は予想できるものの、闇はもつれまくり、哀しみさえも交える魅せ方で意表を突かれたラストまで満足感がいっぱい。大人の汚い欲望は万国共通か。2025/07/02
sayuri
79
転がされた。白血病、格差社会、誘拐、記憶喪失と韓ドラフリークの人にはお馴染みのエピソードがてんこ盛り。反転に次ぐ反転に何度も騙された。なんと言っても娘の手術費用のため誘拐を決意したミョンジュンと、誘拐された11歳の頭脳明晰な天才少女・ロヒの掛け合いが楽しい。誘拐犯とは思えない良い人オーラ出まくりのミュンジュンの優しさが心に沁みる。殺人事件や人体実験を絡め、ミステリ要素をふんだんに盛り込みながら終盤で明らかになっていく真相は鮮やかで爽快。エピローグⅠでホッとしたのもつかの間、二段仕込みのエピローグⅡに驚愕。2021/11/03
ペグ
70
大変な状況なのに、なぜかゆるい空氣感を醸し出しているのは、優柔不断で気の弱いミョンジュンさんとクールでしっかり者のロヒちゃんがコンビで話を引っ張っていくからかしら? 韓国のミステリー初読みでしたがとても読みやすくて面白かったです。色々な国の小説をこれからも読んでいきたい👍2023/10/12
オーウェン
60
娘の治療費のため、金持ちの娘を誘拐することにしたミョンジュン。天才児と呼ばれるロヒを誤って車で轢いてしまい記憶喪失に。自分を父として何とか誘拐を成功させようとするが。序盤はよくある犯人側からのミステリだが、元妻や刑事に、裏にある陰謀。後半犯人が分かっても、そこから二転三転という驚きを見せる。よく出来ていて、終盤への布石が次々と仕込まれていることが後々分かる。ミョンジュンの情けない父親と、ロヒのわがままぶり。疑似親子のような関係の発展も微笑ましく見られるし、いかにも実写化されそうな描写が思い浮かんで楽しい。2021/08/08
aquamarine
57
難病の娘の治療費のため、病院長の娘の誘拐を企てたミュンジュン。実行直前彼の車の前に少女が飛び出し、はねてしまう。少女はターゲットのロヒで記憶を失っていた。…。ただの誘拐犯のはずだった彼は、天才少女のロヒに下僕のように使われ、さらに犯してもいない殺人の罪で追われることとなる。…怪しく思える人物は多いし、それぞれに大きな事情を抱えていて、明かされるたびにその人物に対する印象もくるくる変わる。ロヒとミュンジュンとの日々、事件を追う警察側の思い…目が離せず500頁近いのに一気に読まされてしまった。面白かった!2025/06/21
-
- 和書
- ’15 ハウジング新潟