出版社内容情報
「創造的破壊」という言葉を生み、「イノベーションの理論の父」と呼ばれるシュンペーター。本書では彼の理論や、彼の影響を受けた現代の経済学者(ラゾニックなど)の理論について解説し、シュンペーターの理論が今日の資本主義の本質を理解する上でも極めて有効であることを示す。
さらに日本経済が長い停滞に陥った理由が「シュンペーターの理論とは正反対のことをやり続けたから」であることを明らかにする。
●イノベーションを起こすのは「精力的な人間」。「精力的」な人間とは、「快楽主義的」な人間のように、与えられた環境に適応しようとはしない人を指す
●シュンペーターの『経済発展の理論』が正しければ、主流派経済学の理論が想定しているのは、経済発展もイノベーションも存在しない「静態的」な世界である
●資本主義の三要件の一つは、「無」から貨幣を創造する民間銀行という機関が存在することである
●主要31カ国の中で、経済成長率が他のどの国よりも低いだけではなく、政府支出の伸び率も他のどの国よりも低い国が、日本である
●シュンペーターは、「創造的破壊」を起こすのは、起業家ではなく、大企業組織だと論じていた
●アメリカで、企業の「内部留保と再投資」の戦略・「終身雇用」の慣行から、「人件費の削減と株価の分配」への転換を正当化したのが、1980年代に台頭した「株主価値最大化」というイデオロギーであった
●iPhoneを生み出したのは、スティーブ・ジョブズの天才性によるものであるが、政府の支援なしには、生み出し得なかったであろうことも否定できない
●シュンペーターが予見する資本主義の未来--資本主義は崩壊して社会主義になるが、それは、資本主義が成功するからだ(そして実は、シュンペーターのいう「社会主義への前進」は、現在もゆっくりと進んでいる)
●少子化を予測したシュンペーターーー、合理主義の精神が支配する資本主義社会では、人々は子供をもたない、あるいは一人しかもたないという傾向が強くなる
内容説明
「創造的破壊」という言葉を広め、「イノベーションの理論の父」と呼ばれるシュンペーター。本書では彼の理論や、彼の影響を受けた現代の理論について解説し、シュンペーターの理論が今日の資本主義の本質を理解する上でも極めて有効であることを示す。さらに日本経済が長い停滞に陥った理由が「シュンペーターの理論とは正反対のことをやり続けたから」であることを明らかにする。
目次
第1章 どんな人がイノベーションを起こすのか
第2章 資本主義とは何か
第3章 なぜ日本経済は成長しなくなったのか
第4章 創造的破壊とは何か
第5章 企業の成長戦略
第6章 どんな企業がイノベーションを起こすのか
第7章 シュンペーター的国家
第8章 資本主義は生き延びることができるのか
著者等紹介
中野剛志[ナカノタケシ]
1971年、神奈川県生まれ。評論家。専門は政治経済思想。東京大学教養学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。2000年よりエディンバラ大学大学院に留学。同大学院より05年に博士号を取得。03年、論文‘Theorising Economic Nationalism’(Nations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。著書に『日本思想史新論』(ちくま新書、山本七平賞奨励賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
読特
さきん
ta_chanko
belalugosi6997
QUiChe