内容説明
1930年。スイスで教師をするアタランテのもとに疎遠だった祖父の訃報が届く。祖父は莫大な財産を孫娘に遺す代わりに、自分の“探偵業”を継ぐようにと遺言を遺していた。かくして祖父のパリの屋敷に移り住んだアタランテの前にさっそく依頼人が―名声ある伯爵との結婚を控えたその令嬢は誰かに脅迫されているらしく、披露宴が催される南仏の伯爵邸へともに向かうことに。だが地所内で一人の男の死体が発見され…。
著者等紹介
コンロイ,ヴィヴィアン[コンロイ,ヴィヴィアン] [Conroy,Vivian]
ミステリー作家。本書をはじめとするMiss Ashford InvestigatesシリーズやLady Alkmeneシリーズで知られる
西山志緒[ニシヤマシオ]
成蹊大学文学部英米文学科卒。小説からビジネス書、アーティストのファンブックまで、幅広いジャンルの翻訳に携わる。佐藤志緒名義でも訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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か
29
1930年、スイスの寄宿学校の教師のアタランテは疎遠だった亡き祖父から莫大な遺産とともに探偵業を相続する。パリにある屋敷でさっそく依頼人が待っていて結婚する相手への“彼の最初の妻は事故で死んだのではない。注意しろ。恐れよ”という嫌がらせの手紙が届いたという。アタランテは親戚のふりをして南仏の伯爵邸へ行くことに。書き残した手紙で祖父はアタランテを導いていく。絡み合う人物たち。読んでいるこっちまでこんがらがった。アタランテが冷静で良い。続きを読みたい。2024/01/24
星落秋風五丈原
23
伯爵家の跡取りだったのに、生前祖父と対立して借金をこさえて亡くなった、迷惑ながら愛すべき父の後始末をしたため、アタランテはつましい暮らしをしていた。そんな彼女の楽しみは“どこかに行ったつもりになる”という赤毛のアンみたいな想像ごっこ。そんな彼女に舞い込んだシンデレラのような申し出と、好奇心を満たしてくれる探偵業。ただ“祖父がずっと見ていた“とはいえ、一度もやったことのない探偵業を託すに足る人物だとアタランテを見抜いたっていうのは動機としては弱いような。2024/06/03
ごへいもち
17
サクサク読めた。冒頭は小公女や足長おじさんみたい。続刊希望2024/06/21
えむむ
9
ラベンダーの香り漂う時代ものコージー。大邸宅、大家族、自立心あふれるヒロイン、と、クリスティ要素が楽しい。男性より強いという名前のアタランテが、クールにしとやかに活躍。あの人の正体は、やっぱりあの人ですよね。2024/05/06
一柳すず子
8
舞台はフランスだけどアガサクリスティみたい。複雑な真相もなかった。イヴェットの言動はかなりヤバいと思うので今後が心配。依頼人一族は鼻持ちならない。ロマンスの香りもあり、次作も読みたい。2024/05/27