内容説明
ストックホルム郊外で磔にされた男の全裸体が見つかった。残虐な拷問を受けた被害者は名うての凶悪犯罪者で、局部を切り取られたうえ、“生かされて”いた―。過去のレイプ被害者の家族による報復か、犯罪組織の抗争か?捜査を指揮する警部カールと匿名情報を得た記者アレクサンドラ、それぞれが事件に迫るなか、異なる手口で拷問された惨殺体が発見され…。戦慄の北欧ミステリー!
著者等紹介
スヴェーンストレム,ボー[スヴェーンストレム,ボー] [Svernstr¨om,Bo]
1964年生まれ。スウェーデンの大手夕刊紙アフトンブラーデット紙の記者として長年活躍したのち、2018年、『犠牲者の犠牲者』にて作家デビュー。国内最大の書店アカデミーボークハンデルンのペーパーバック・ベストセラー・リストで第1位を獲得し、国内のベストセラーリストで6週連続トップ10入りを果たした。ストックホルム在住
富山クラーソン陽子[トミヤマクラーソンヨウコ]
スウェーデン語翻訳家。南山大学外国語学部英米学科卒。札幌市生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
272
一部と二部で、読者の視界が大胆に切り替わる手法は、たしかに、ピエール・ルメートル。というか『その女、アレックス』を、もろに連想。実力がないとは思わないが、先駆者に倣って、続々と生えてくる雨後の筍の中の、わりかし出来が良かったやつ。という所感。拷問を受けて生かされていた!という衝撃的な最初の事件が、あっさり医療ミスで被害者死亡って、じゃあやるなよ!と言わせてもらいたい。インパクト重視で、整合性無視な、ある意味、今っぽいミステリではあるが、悪い言い方をすれば、風化が早いだろう。続編があるのか…。2022/10/05
うまる
41
残虐シーン多めですが、被害者がクズばかりなのでむしろ爽快。ダークヒーローの要素もあり面白かったです。被害者達は一生囚われるのに、加害者は数年で自由の身なんてやってられないでしょう。だいたい更生なんかする訳ないんだから、目には目を、やった事には同等の落とし前をで良いと思います。1章の終わりにおやっ?となってからの第2章という構成が良かったし、オチも結構好き。最終的に、これまでやってきた事なんだったの!と割を食う登場人物はかわいそうだったけど。色々と序盤からからヒントあったな~と思い返すのが楽しかったです。2022/02/19
星落秋風五丈原
38
さすが北欧。殺さないでああいう姿にするとはえげつなかったです。気持ち悪い。2023/06/14
シキモリ
29
スウェーデン発のミステリー作品。北欧らしさを過度に濃縮した残虐描写は読み手を選びそうだ。読み進める内に「その女アレックス」や「そしてミランダを殺す」といった作品群がどうしても頭に浮かぶので、オリジナリティは然程感じられず、共犯者の正体も第二部の序盤で早々に察しが付く。これ程グレーな結末にも関わらず、本国で続編が刊行されているのは<グレーンス警部>シリーズみたいだ。決して悪い作品ではないが、既視感があり過ぎて新鮮味が全く感じられなかったというのが率直な感想だったり。ちなみにこの不思議な邦題は原題通りだとか。2021/12/26
tom
25
この物語、過酷な経験をしてしまったら、その結果としてとんでもない行動をしてしまうというミステリー。こういうストーリーには既読感がいっぱい。ああ、そうですかと思いながら、ほとんど退屈したまま、どうにか最後まで読み進めた。そして、最後のシーンは、ここに落としますかというオチ。これはダメでしょ、北欧ミステリーの悪いパターンがいっぱいという読後感。2022/03/19