出版社内容情報
大学での歴史教育は、日本史、東洋史、西洋史を大きな枠組みとして行われてきた。しかし、西アジアの歴史は、その枠組みに収まらず、一般には通貫して理解されにくい存在であった。しかし、キリスト教やイスラーム教への理解をはじめ、西アジア史理解を通じてはじめて見えてくる現在の世界がある。民族の交代、宗教の交代がおこり、そこに住む人々のアイデンティティは変化してきた。本書では西アジアに定点を定め歴史の流れを追い、その地におこった変化の歴史を辿る、その重層を理解し、今日に続く諸問題を考える。
目次
西アジア史への誘い
先史時代の西アジア
都市国家から領域国家へ
国際化時代の幕開けと帝国の時代
アレクサンドロス大王の東方遠征とヘレニズム時代の諸国家
ローマ帝国と西アジア
東ローマ(ビザンツ)帝国とササン朝
イスラームの登場
イスラーム帝国の解体と諸王朝の発展
モンゴル帝国からオスマン帝国へ
近世帝国の時代
西アジアの近代
列強の西アジア進出とナショナリズムの高揚
イスラーム主義の拡大と社会の変化
西アジアの現在:「テロとの戦い」と「民主化」がもたらす混乱
著者等紹介
林佳世子[ハヤシカヨコ]
1958年山口県に生まれる。現在、東京外国語大学学長。専攻:西アジア史、オスマン帝国史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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