出版社内容情報
ヒトの心のはたらきを生物進化という観点からどのように理解できるかについて、進化のモデルと実証研究の知見を踏まえつつ概観する。生物学を学んだことがない読者を対象に、本書を通じて、生物学における進化論とはどのような考え方であるのか、それがヒトの心のはたらき・社会行動とどのように関わるのかを理解することを第一の目標とする。また、進化心理学の主たる知見についての知識を身につけながら、その考え方を修得することを第二の目標とする。
目次
進化とは
ヒトの進化
進化心理学とはどのような学問か
進化論は利他行動を説明できるか
性と進化
配偶者選択
短期的配偶
子育て
認知と進化
感情と進化〔ほか〕
著者等紹介
大坪庸介[オオツボヨウスケ]
1971年長崎県に生まれる。現在、東京大学大学院人文社会系研究科准教授。専攻は社会心理学、進化心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じょあん
2
本当に人間の心ははじめ「タブラ・ラサ」、つまり何も書かれていない石板なのか? 生物学的な面を切り捨てて、社会心理学的にのみ考えてよいのか? 確かに過去、生物学的な考え方は優生学などに結び付きナチスなどに利用されたが……生物学的な人間を全く切り捨ててよいわけではないだろう。そもそも、「人間にはこういう性質がある」と「だからこうすべき」という価値判断は分けるべきで、価値判断はしない。本書はそういうあり方に貫かれている。生き物としての人間に興味のある方は是非。比較的読みやすいテキストになっている。2025/02/05
marukuso
2
非常によくまとめられた教科書。放送大学向けだけではもったいない。広く読まれるべき。参考図書が少なかったので、テーマに沿って次に読むべき本をもっと紹介して欲しかった。2023/12/15
ibuki furuya
1
自然選択による進化の説明から始まり、利他行動、配偶戦略、認知、文化などのトピックがコンパクトにまとまっている。章末に確認問題がついているのが嬉しい。 群淘汰がなぜ進化しないのかをプライス方程式を用いて詳細に説明されており勉強になった。集団同士にどれだけばらつきがあるかが重要なようだ。 なぜ男性は女性ほど子育てに熱心でないのか、なぜ男性は女性が自分に気があると勘違いしてしまうのか、といった悪く言えば下世話な話題を科学的に扱えるのが面白いと思う。2024/07/05
qls
0
4 主要なトピックについて過不足なく解説されている良書2024/08/02
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