出版社内容情報
社会科学的認識の視点から「法」を政治・経済・文化など社会統合の構造部門のひとつとして捉え、日本の法システムの特徴と機能を歴史的に考察している。序章で法の概念や法機構の基本構造の理論的説明を行った後、日本の近代の法文化が、近代国民国家の構築という政治的な優先課題に深く刻印されつつ形成されてきた歴史的経緯を考察。ついで近年の司法制度改革が、ルール志向性という普遍的な課題と日本的な特徴とが交錯する中で行われてきた様を明らかにしている。法システムの日本的なあり方とは何かを探究した書。
1.法と歴史と文化
2.歴史的与件
3.開国の政治と法
4.明治統治機構の形成
5.法律家の形成
6.産業社会化と法システム
7.日本国憲法と法システム
8.法文化論
9.法律家と法文化
10.紛争処理と法文化
11.司法過程と法文化
12.家族をめぐる法文化ー離婚と相続
13.土地利用の法文化ー借地権と入会権
14.企業と雇用の法文化
15.総括と展望