内容説明
この国の近代を形創った維新の巨人の事績を精緻に再検証。
目次
第1章 プロローグ
第2章 敬天愛人―西郷の目指した理想像
第3章 島津斉彬―若き日の西郷
第4章 島津久光―不幸な出会いと確執
第5章 南島潜居―二度の挫折を乗り越えて
第6章 龍馬暗殺―西郷黒幕説について
第7章 江戸攪乱―西郷陰謀説の検証
第8章 明治政府―西郷の苦悩と決意
第9章 征韓論争―征韓論か遣韓論か?
第10章 西南戦争―挙兵に込められた真意
著者等紹介
粒山樹[ツブヤマイツキ]
1971年大阪市出身。1999年に西郷隆盛のホームページ「敬天愛人」を開設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫
3
学者でも評論家でも作家でもなく、一般の素人歴史家(自称)による著作。後世の通俗的なイメージに異議を申し立て、当時の史料をベースに西郷隆盛の実像を読み解いていこうとする実直で堅実な考証本であります。史料をもとに経過をたどる限り、坂本龍馬を暗殺するような事情も見当たらず、江戸薩摩藩邸の暴発も想定外の出来事だったのに根強く陰謀論が支持されるのは歴史を結果から逆算して理解する弊害だといえるでしょうか? 全体に説得力のある考証の良書でしたが、西南戦争での西郷らしからぬ無策ぶりは著者も持て余したような感じ。星4つ。2024/02/27
やま
2
著者は西郷隆盛に好感を抱いている一方で、史料に基づき公平な評価をしようと努めているのがわかる。考察のバランスが取れた良書。2018/08/28