内容説明
岸信介は、いかに困難を乗り越えたのか―稀代の文芸評論家による雄編評伝。
目次
官邸での夜
勤王と諸公と大礼服
銀時計つきの高杉晋作
明治は遠くなりにけり
天皇の官僚
平凡なおやじ
アメリカ
昭和改元
金解禁
産業合理化運動〔ほか〕
著者等紹介
福田和也[フクダカズヤ]
1960年、東京都生まれ。文藝評論家・慶應義塾大学環境情報学部教授。93年『日本の家郷』で三島由紀夫賞、96年『甘美な人生』で平林たい子賞、2002年『地ひらく 石原莞爾と昭和の夢』で山本七平賞、06年『悪女の美食術』で講談社エッセイ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とりぞう
4
「岸の成績は、入学試験当時はともかく、高校入学後すぐにトップ・クラスになり、大学一年の時には、同級の我妻栄と首席の座を分けた。」なんて話など。齢60になりそうなぼくでも、18歳の頃に購入した我妻栄はいまでも本棚にある。2025/01/15
うらじ
4
岸が学生時代に北一輝に傾倒していたというのは意外だった。満州が治外法権をわざわざ手放して単なる傀儡国家ではなく理想国家を目指していたという話も知らなかった。岸がやってきたことは肯定できないし悪いイメージしかなかったが本書を読んで人物評を見直した。お孫さんも見習って欲しい。2014/09/20
おもろい於間抜
3
岸信介は満洲国で統制経済を実行したと聞いていた。戦後の日本が満洲国に連なる人脈で成り立っていたことを思うと、満洲国という存在は大きなものだったと思う。タイトルにある『悪と徳と』は政治というのはまさにそういうものだと言っているのだとしたら、やはり、鳩山一郎や重光葵などよりも岸信介はより政治家だったと言えるのだろう。まさに昭和の妖怪でした。怖いです。2025/06/12
Shiho F
3
岸信介の魅力が充分に伝わってきた本。アメリカと戦後日本の関係についての記述は、最近読んだ孫崎享の本よりも冷静で納得感があった。つくづく人間というものは多面的で、一つのキャッチコピーで作られたイメージを真に受けると、物事を誤って捕らえてしまうのだな、と実感。吉田茂といい、岸信介といい、修羅場をくぐった人間というものは胆力が違う。2012/10/24
takao
2
戦前と戦後の連続性を考えるヒント。未完は意味深だな。2017/09/27
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