ブレンダと呼ばれた少年―性が歪められた時、何が起きたのか

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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784594049584
  • NDC分類 367.9
  • Cコード C0098

内容説明

生後8か月の男の子がモルモットにされた。不幸な事故で性器を失った男の子が性転換手術を受けさせられた。「性は環境によってつくられる」という理論の裏付けに利用された“少女”が直面した心の葛藤とは。

目次

第1部 SFゲーム(初春の吹雪;性の伝道師;ブレンダへ;氏か育ちか;密室での面接;逃避行)
第2部 自分の生いたちを知って(困惑する医師たち;風変わりな少女;性転換者;女医マッケンティ;過去の名前;デイヴィッドへ)
第3部 自然のままの姿で(不可解な沈黙;あいまいな性器;カリスマの落日;真の男として)

著者等紹介

コラピント,ジョン[コラピント,ジョン][Colapinto,John]
カナダ、トロント生まれ。トロント大学で文学修士課程修了。ニューヨーク在住のジャーナリストで、『ヴァニティ・フェア』『ザ・ニューヨーカー』『エスクァイア』『マドモアゼル』誌などでコラムを書く。『ローリング・ストーン』誌に掲載された取材記事で全米雑誌賞を受賞。また、2000年に『ブレンダと呼ばれた少年』で作家デビューし、よりよい生活のための賞を受賞した

村井智之[ムライトモユキ]
ニューヨーク市立大学卒
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

亮さん

12
割愛の際、間違って性器を焼き切られてしまい、性器を女性器の見た目にされ、女性ホルモンを打たれて女の子として育てられた少年。少年はずっと自分は女性ではないと思い葛藤する。最終的には、男性に戻る。 ひどい話だと思った。特に性器を見せつけ合う触り合う行為をされた所がひどい。2016/11/30

マイケル

9
驚愕のノンフィクションで超刺激的! 一卵性双生児なので写真見るとそっくり。不幸の始まりは包皮切除手術事故。大事なモノ無くなる。次の不幸は新型コロナ感染者数発表で有名なジョンズ・ホプキンス大学。本人の承諾のない去勢。科学・医学は万能と考え自然の摂理を無視した人間の傲慢・思い上がり。旧約聖書のイブのように女は簡単に作れると考えている神になったマネー。自分の理論優先、それに付き合わされる患者の不幸。女性脳と男性脳の違いを理解していない人権侵害。本書を読むことにしたきっかけは昨年読んだ「片想い(東野圭吾)」。2021/01/31

ottohseijin

6
「性は生得的なものではなく、出生後に社会的に決定される」という信仰の犠牲になった少年。『結局、人間は自分以外の何者にもなれやしない。自分はいつだって、じぶんでなきゃならないんだ』2011/01/05

4
後半の「真の男として」は読んでいて目頭が熱くなった。それだけにデイヴィッドのその後はショックだった。ジェンダーにかぎらず、白とも黒とも付かないグレーなものをグレーなまま受け入れることも大事だと思う。2015/02/03

neal

2
マネーはブレンダに自分が見た「いい夢」について語るように言った。ブレンダは農場で馬といっしょにいる子供のことを話しはじめたが(マネーのノートに記されているところによると)、彼女はその子供の性別を言うまえに、「十分に間を置き、しきりにつぎの言葉を探しつつ」、やっとその子供が男の子であることをあかしたという。 「とてもいい夢だった」とブレンダは言った。「その子は食べて、飲んで、ベッドに行って、ぐっすりと眠った。その子はそうしたかった。ただそれだけ」(p108、ブレンダ7歳時の面接)2019/05/16

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