内容説明
日露の激突で世界はどう変わったのか?詰め将棋のようにロシアに追い詰められていった日本。苦渋に満ち満ちた選択、苦しみぬいた末の勝利。戦勝国なのに主導権を握られなかった講和条約交渉。戦場、そして銃後で国のために苦闘した国民。日露の激突の影響を受けたアジアの国々…「あの戦争」のすべてを多角的に描く。
目次
第1部 国民の戦争(祖父の戦死―遺品が語りかける「決意」;臥薪嘗胆―三国干渉に耐えた合言葉 ほか)
第2部 帝国の憂鬱(刻まれた汚点―名誉回復へ奔走する子孫;軍港の町―激変促した艦隊の大敗北 ほか)
第3部 現場を訪ねて(主戦場・旅順の凋落―日本人観光客獲得に鎬削る;政治が変える歴史評価―戦争は「中国侵略」の一環 ほか)
第4部 広瀬家の人々(「軍神」一族の風雪―消された功績に「礼」再び;軍神家族が迎えた婿養子―海兵で後輩、士族の四男 ほか)
第5部 怨讐を超えて(宣教師ニコライの日記―祖国に戻った懊悩の記録;里帰り楽器奏でる「友好」―日本人捕虜の村から ほか)