扶桑社セレクト<br> よみがえる鳥の歌〈上〉

扶桑社セレクト
よみがえる鳥の歌〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 396p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784594036164
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

1910年、フランス。紡績工場を訪ねて英国からやってきた青年スティーヴンは、工場経営者の若き妻イザベルと出会った。夫妻の秘密をかいま見るうち、スティーヴンの心に恋情が生まれていた。アミアンの工場と、ソンム河畔の美しい風景のなか、徐々に感情は深まっていく。やがて狂おしい愛が爆発したとき、彼とイザベルに新たな世界がひらけた―だが、それから6年後、スティーヴンはまったくちがう場所で生きていた。そこは第一次世界大戦の最大の激戦地、フランス戦線の塹壕のなかだった。

著者等紹介

フォークス,セバスティアン[フォークス,セバスティアン][Faulks,Sebastian]
1953年、英国ニューベリー生まれ。さまざまな新聞に寄稿したり、記者として活躍したのち、小説家としてデビュー。1995年度「オーサー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた

松本みどり[マツモトミドリ]
英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

275
主人公は一貫しているが、第1部が1910年フランス、そして第2部がその6年後の1916年フランスに設定されている。下巻を読んでからでないと最終的な評価はできないが、少なくとも上巻の限りでは、このことに構成上の効果を認めることはできない。すなわち、第1部の存在意義が希薄なのだ。第2部は、もう紛うかたなき戦場小説である。銃弾が飛び交い、戦死者の死体はモノと化し、酸鼻を極める局地戦が微細に描かれる。著者が第1次大戦を選んだのには納得がいく。そこではまだ敵集団が目に見え、個々の戦闘員の背負う日常があるのだ。2017/07/18

遥かなる想い

160
第一次世界大戦前後のフランスを 舞台に、戦争が残した 人々への傷痕を 描く。第1部では 戦争前のスティーヴンと 人妻イザベルの情熱的な愛が、 第2部では 一転して ひたすら 戦争シーンが 描かれる …このギャップは どこに繋がるだろう。 下巻の展開に期待。2018/06/24

ケイ

115
上巻を読んだ限りでは、前半と後半にあまり関係性を見いだせない。前半で描かれる若者の情欲は、愛というより身勝手な性的衝動が強く、後半の第一次世界大戦の塹壕で戦うスティーブンの6年後の姿にいきなり変わるのに戸惑った。後半の、ひたすらに戦場のシーンが、そこに居合わせ、つらくて逃げ出したいのにいつづけねばならない恐怖感を駆り立てる。川でドイツ兵に囲まれたシーンなどは、鳥肌が立った。感想は下巻で。2017/06/09

まふ

107
研修で出張した英国人青年のフランス人の人妻との恋/失恋とその後第一次世界大戦の兵士としての生き様を描いた巨編(の上巻)。20歳の青年とは思えぬ落ち着き(暗い影)と挙措動作がこの作品に重みを与え、軽薄さから遁れさせている。第1部の恋愛過程ではホストファミリーの妻が夫にDVを受けていたとはいえ主人公スティーヴンへの燃える思いは尋常一様ではなかったはずなのに、出奔してから無情にも(?)スティーヴンを捨ててしまう。女性の心は微妙としか言いようがない。⇒2024/09/04

NAO

66
1910年。フランスのアミアンの紡績工場にやって来たイギリスの青年スティーヴンと工場経営者の妻イザベルとの情事を描くことから始まるこの話は、恋愛小説かと勘違いしそうになるほどだ。だが、後半、話の色調はがらりと変わり、スティーヴンは、第一次世界大戦の最大の激戦地フランス戦線の塹壕の中にいる。場面の激変に驚かされるが、時は6年しか経っておらず、戦地はスティーヴンの思い出の地からそう遠くはない。通常の生活を営む平和な土地と当たり前のように人が死ぬ戦争の前哨地がかなり近い位置にあるというギャップに衝撃を受ける。2020/09/11

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