内容説明
最愛の夫は逝ってしまった。彼の亡骸に寄り添うわたしは、ベートーヴェンに慰めを求めた。ある晩、わたしはヴァイオリンの調べを耳にする。窓から見下ろせば、そこには黒い長髪の美青年が―彼の奏でる音楽は、家族との確執、妹の失踪、母親の死、娘の死で閉ざされたわたしの心を解き放つ。夢とも幻ともつかぬ青年と、彼のヴァイオリンに強く惹かれ、わたしはやがて、時を超えた旅へと誘われる…アン・ライスが自らの辛い記憶をたぐりよせて描いた、幻想的な異色音楽小説。
著者等紹介
ライス,アン[ライス,アン][Rice,Anne]
1941年、ニューオリンズ生まれ。娘の死をきっかけに創作活動を開始した
浅羽莢子[アサバサヤコ]
東京大学文学部卒業。英米文学翻訳家
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