内容説明
“何事にも立ち向かわない男”ヴァジム…殺人課警部としてモスクワに赴任した彼を待ち受けていたのは、若い女性ばかりを惨殺する連続殺人鬼「怪物」事件だった。慣れない捜査に影武者としての任務、加えて市内に潜伏してテロをたくらむ妻の存在とが、彼を翻弄する。やがて明らかになる事件の意想外の真相は、もうひとつの怪物=政治体制をも根本から揺るがす最後の戦いへとヴァジムを導いてゆく―ミステリーとポリティカル・フィクションの奇跡的融合!現代史家でもある著者が放つ力作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けいちゃっぷ
3
なんとも不思議な読後感の漂う小説。悪くはないのだが、突っ込み所も満載。それにしても冴えないヴァジム警部が妻を含めて三人の(超絶らしい)美女に深く関わるのは許せんな(笑)。391ページ2010/04/07
可兒
2
ロシアにはカオスがよく似合う。たぶん作者的にはそうなんだろう。実際に面白かったし別にいいのだが、この無理矢理な世界とストーリーはロシアが舞台だからこそ許されるのかと思うと複雑2008/12/05
kanamori
0
☆☆☆2013/10/06
tegi
0
強引にたとえると、ウォッカ好きな楽天家のエルロイという感触。イギリス人にこういう小説を書かれて、ロシア人はどう思っているのだろう..という、非"当事者"による娯楽作品特有のモヤモヤはあれど、傑作は傑作です。長編小説でしかできない終盤の展開にはたいそう興奮させられました。どの人物の造形もうまいとしか言いようがないけれども、もっとも感嘆したのはユーリャ。いやはや。2012/05/05
丰
0
19990228