目次
第1章 幼少期から陸大卒業まで―明治四十四年~昭和十五年
第2章 大本営時代―昭和十五年~二十年
第3章 シベリア抑留―昭和二十年~三十一年
第4章 伊藤忠商事時代―昭和三十一年~五十六年
第5章 国家・社会への献身―昭和五十六年~
第6章 思い出の人々
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
35
なぜ、戦争に負けたのかというよりも、なぜ、負けると分かっていて止められなかったのかであり、今現在、そういう構造のようなものを脱構築できているかが大事だなと思った。大本営の作戦課の雰囲気を知れたり、シベリア抑留における一兵卒との違いや、ありし日の伊藤忠の様子など、貴重な貴重な回顧録2023/10/09
kaba
5
山崎豊子の「不毛地帯」モデル本人の回想録。新書サイズ669頁に及ぶ大作、遂に読了です。中公文庫「失敗の本質」を読んだ後だけに、同時代の軍人教育とはどんな風だったのかと興味深く読みました。氏の歩んできた道、陸軍士官学校でのエリート教育、大東亜戦争指導中枢の大本営勤務、十一年に及ぶシベリア抑留、伊藤忠商事での活躍と取締役会長就任、数々の政治政策への関与から数え切れないほどの社会貢献。私が想像する常人のそれとは思えないほどの人生を送られたことに深い感銘を覚えました。本人の回想録ではあるが必読の書でした。 2023/05/20
100名山
4
明治43年の日韓併合を「侵略」ないし「植民地化」と定義することは歴史の事実に鑑み不適当という瀬島龍三をテレビで不毛地帯を見るまで知らなかったし、本書を批判するほどの知識がありませんので致しませんが、戦争を起こした側の論理です。しかし読む価値はあります。2014/07/24
Yoshikazu Kimura
4
著者瀬島龍三。「不毛地帯」のモデルになった人。 「人間にとって最も尊いこと=人間最高の道徳とは、自らを犠牲にして人のため、世のために尽くすこと。 軍隊での階級、企業の職階などは組織の維持運営の手段にすぎず、人間の真価とは全く別である ~シベリア抑留時より~」 かっこいい日本人の一人だと思う。2012/10/07
有坂汀
3
本書は戦中は大本営参謀として、戦後は11年間もの歳月をシベリアで抑留された後帰国し、伊藤忠商事に奉職。取締役会長まで上り詰めた後に政界に転身し、10年の行政改革等の仕事を務めた瀬島龍三氏の回顧録です。非常にすっきりとした読みやすい文体で自らの辿った壮絶な「来し方」を綴っておられ、元大本営参謀としての「ルーツ」なのか、自分がメインで主役を張ることはなく、あくまでも「影」として「黒子役」に徹し、その手腕を存分に発揮していたのだなとページをめくりながらそのような感想を持ちました。人間の記録としても面白いです。2024/08/26
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