内容説明
「哀しみ(ソロー)」という名の河が流れるミシガン州南部の町モーガンタウン。この小さな町で、不可解な殺人事件が次々に起きる。被害者はみな麻薬常用者か麻薬の売人だった。捜査を担当する初老の刑事ブランドンは、麻薬中毒の過去を持つ医師ランカスターと事件との関連を疑う。ランカスターは濡れ衣を晴らすため、みずから事件の真相を追うが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けいちゃっぷ
3
絡まりあった糸が解きほぐされる過程はゾクゾクします。強いて文句をつければ、糸がほぐれた後は今ひとつかな。主人公の麻薬中毒を更正させてくれた女性が凄すぎてリアリティがないのも。それでもラストの余韻も含めて読み応え十分の作品でした。560ページ 2011/04/05
つちのこ
1
あの『シンプル・プラン』のスコット・スミスに激賞された本書だけに、その絶妙なプロットと怒涛の着地点へもっていくテクニックは素晴らしい。 私にとっては“麻薬”というあまりなじみのない、それでいてミステリには氾濫している平凡なテーマだけに、途中でだれてしまうかな、と思っていたが、どうしてどうして、時間をかけてもストーリーを忘れることなく面白く読めた。1999/08/03
キラリン子
0
クレイグ・ホールデンの作品だから読み終えることが出来た、としか良いようがない。最後までランカスターのダメ男っぷりに付き合えるのはデニーズだけで、私には560ページでさようならだ。2012/10/28
schazzie
0
ややこしい謎解きなのに集中して読めなかったのが残念だが、興味をそそる書き出しは上手いと思った。主人公の麻薬中毒の医師ランカスターは、麻薬を使うから怪しい人なのか、はたまた実はいい人なのか最後まで判断がつきかねたが、全体としては面白かった。最後に、一番気に入っていた人物が凶弾に倒れてしまったのは非常に悲しい。まさに哀しみの川、リバー・ソローだ。2010/11/15