内容説明
地球に不時着した逃亡者“ダウフィン”の引き渡しを迫る“スティンガー”は町の人間を一人ずつ殺しはじめる。日ごろ抗争をつづける白人系とメキシコ系、二つの不良少年グループは“スティンガー”に敢然と立ち向かうが―。異星生物の弱点とはなにか?人間たちと“ダウフィン”に勝ち目はあるのか?まるでハリウッド映画の面白さをすべて詰め込んだような、究極のホラー&サスペンス。「怖くて面白くてハラハラドキドキさせて、カッコよく泣かせる」モダンホラーの最新傑作がやってきた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Satoshi
8
マキャモンの代表作であるエイリアンパニックもの。テキサスの田舎町インフェルノに凶悪なエイリアンが巨大ピラミッドとともに襲来し、先に地球に降り立った善良な宇宙人を狩るために町民を無差別に攻撃する。一見、B級パニック小説の様であるが、町民一人一人を丁寧に描いており、彼らがスティンガーにより仲間を失いながら魅力的な人物に成長していく。不良もダメ人間も一つの目的のためにたった24時間で共闘し、ラストには対立した2チームが和解する。スティンガーのグロテスクな描写が無ければ映画化していたのではと思う。2017/04/12
ぶうたん
7
サスペンスフルでグロテスクな描写はあるにしても、成長ものだったり、親子ものだったり、友情ものだったりのカラーが濃くなる後半である。上下巻の長い話だが、各章も短くて小気味良く苦にはならないし、SFホラーではあるものの、臆面もない怪獣小説の趣もあるので、とにかく派手で面白い。まあ改めて読むとB級感が強いのは否定できないところではあるが。90年代前半に立て続けに翻訳が出た後はほとんど訳書が途絶えているので、何とか新作が出てほしい作家の一人である。2021/08/19
ろびん
6
不幸な事故だったのはわかるけど、やっぱりモヤモヤする、特に終盤。2019/12/10
なつみかん
6
これを知ったのは内藤陳さんの熱い冒険小説レビューでした。読まずに死ねるか!2017/08/12
虎師匠
6
再読。外宇宙から飛来し、衰弱した身体を少女の精神に寄生する事で難を逃れた生命体「ダウフィン」。これを殺害する為にアメリカの辺境をまるごと力場により封鎖し、ダウフィンの引き渡しを迫る邪悪で殺戮を好む生命体「スティンガー」と、町を、愛する人を守る為に死に物狂いの闘いを挑む住民達の壮絶な死闘を描くアクション+ホラー。良く言えばキング、クーンツのパスティーシュ的な要素を含む、モダンホラー、と言うかクーンツフォロワーによる力作で、新鮮味こそ薄い物の、先へ先へと読み進ませるリーダビリティの高さは抜群。2014/05/17