内容説明
セレンディピティ・ダールクィスト。通称セーラ。14歳の彼女は、女優の祖母とロスで2人暮らしだった。退屈な毎日が続いていたが、ある日彼女の愛犬グルーチョが失踪、セーラは警察へ届けでた。だが、警官が相手にしてくれるはずもなく、冗談半分に紹介されたのが42歳の私立探偵レオ・ブラッドワースだった。そしてこの時から14歳の“わけのわからない小娘”と42歳の“つまんないことばっかりいってる中年”探偵の奇妙な道中が始まった。反発しあいながら、互いを助けあってグルーチョを捜す旅を続ける2人。だが、この愛犬失踪の陰にはマフィアがらみの恐るべき謀略の罠が張り巡らされていたのだ。現代ロサンゼルスを舞台に、軽妙なユーモアをまじえて新鋭が放つ傑作ハードボイルド。86年ネロ・ウルフ賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ALATA
45
蒸発した愛犬を探す14歳の女子高生としがない中年探偵のロードミステリー。思わぬ拾い物でした。連続殺人事件に遭遇するふたりの会話がちょっとずつずれていてユーモラスな会話が繰り広げられる。「君の一番気に入っているところは俺のおふくろにそっくりなところだ」「そうでしょうね」ちょっと小生意気な小娘セーラに翻弄されるブラットワース、マフィアが絡む事件、謎の女探偵女と謎解きまでプロットも緻密で一気読みでした★4※「少し体をひねり、探偵の能力を発揮して相手の唇を探りあてた」・・・ハードボイルドですねぇ。2024/12/26
ペペロニ
9
中年探偵と14歳の少女セーラのコンビが素晴らしい。事件は犬探しの依頼を発端に殺人事件に遭遇し、割と複雑に絡み合った人間関係が肝となる重めの話。でもセーラのキャラが清涼剤的に働きラストは爽やか。2020/02/28
洋書好きな読書モンガー
6
扶桑社が未だサンケイ出版だった頃の本。私立探偵のあだ名が<ブラッドハウンド>、子供の頃父がブラッドハウンド3頭飼っていた、40kg超える大型犬だったけど洋犬の特長で家族みんなに懐いていた。クアーズを半ダース買う所初めて米国に行った時クアーズ1缶約95円、コーク85円でほとんど変わらないじゃんって驚いた事など思い出し読んだ。迷い犬探しから殺人事件になる物語、少女と私立探偵が良い味を出している。シリーズになっている様だが図書館にはこの1冊しか無かったのが残念。2024/07/09
ブル-ス
2
一番恐れているのは頭がボケることなんだ 「そんなこと心配したってムダよ。そうなったとしても、一番最後に気がつくのは自分なんだから。」セレンディピティダールクィスト2022/11/07
yudolf
2
古本で購入したのですが、面白かった。中年探偵と14歳女子高生のコンビがなかなか良い味。メキシカンの探偵兄弟も憎めなかったのだが……。続編無いんですかね。[追記]調べたら「犬」シリーズが出てるんですね。探してみよう。2009/07/13