内容説明
コーネリアの家のとなりに、笑顔が素敵な作家ヴァージニアが引っ越してきました。床からヤシの木が生えたモロッコのリビングに、上品なフランスの応接間、読み切れないほど本があるイギリスの図書室は、まるで外国みたい。そこで語られる、若きヴァージニアたちサマセット四姉妹の話にコーネリアはすっかり引きこまれていきます。―言葉がほんとうの冒険へ変わっていく、少女の成長物語。
著者等紹介
ブルーム,レズリー・M.M.[ブルーム,レズリーM.M.] [Blume,Lesley M.M.]
アメリカ生まれ。ウィリアムズ大学、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学大学院で歴史を学び、作家活動だけでなく、ジャーナリスト、コラムニストとして、政治、文化、メディア、ファッションなど幅広い分野で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かもめ通信
21
読友さんのレビューに惹かれて読んでみた児童書。「姉妹」に「旅」に「老作家」この手のキーワードには弱いのよねえ!2015/12/02
バニラ風味
19
コーネリアの母は有名なピアニスト。母目当てにコーネリアに近づく大人は多く、素性を知られれば「あのピアニストの娘!」という目でしか見られない。友人もなく、孤独で引っ込み思案なコーネリアは、ある日、隣の部屋から飛び出した犬をきっかけに、ヴァージニアと出会う。ヴァ-ジニアは、コーネリアを招き、美しい部屋で、ありし日の4姉妹の冒険談を語る。夢のような部屋、いろいろな国でのユニークな冒険物語、わくわくします。自分も旅したような気分になりました。でも、最後はホロリ。2016/05/07
杏子
16
有名ピアニストの娘に生まれた悲劇と、十代の感性で描かれたお話でした。おとなりに引っ越してきた老婦人ヴァージニアとピアニストの両親をもつコーネリアのあたたかい交流の物語。ヴァージニアの語る、3人の個性的な姉たちとの世界をまわる冒険の数々は奇想天外で、面白さ満点。それらのお話が母にとりのこされて寂しかったコーネリアの心を励まします。物語が結末に近づくとやがて別れが訪れて……随所に散りばめられた様々な文学作品のタイトルも、物語の楽しさに読者を誘います。2015/01/06
mikipon
10
娘(小5)と読む。新しい本だけど、久しぶりに女の子のための正統派児童書を読んだという気がした。「あなたの冒険が始まるまでの繋ぎ」として、老婦人が語る型破りな四姉妹のエピソードは、ちょっと古い映画の場面のように浮かんできてワクワクした。2014/10/04
鳩羽
8
有名ピアニストを母に持つことで内気に拍車がかかるコーネリアは、隣に引っ越してきた上品な老婦人ヴァージニアと出会う。作家でもある彼女の若い頃の冒険譚が、コーネリアの心を開き、何よりの楽しみになっていくという話。確かに、サマセット四姉妹の旅は親に甘やかされた贅沢なものであり、冒険というよりはルール違反や慣習破りによるトラブル程度のことだ。だが、女が物のように結婚させられたり、差別されていた時代や国としてみると、これは怪獣や悪の組織と戦うのと変わらないリアリティのある冒険だろうと思う。2014/08/25