感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
37
コロンブスの生涯は、ルネサンスに生きた人々の知的欲求の強さと、それに比例する混乱の大きさを映し出しているように思った。そもそも船を指揮した事もない彼が、女王や船乗りを自分の夢に巻き込んでいくこと自体、尋常ではない。先住民を前に一方的な領有の儀式を行う。黄金を見つけたと言い張るため殺戮、奴隷狩りをくり返す。そこにあるのは忠誠や信仰の皮を被った野心であり、他者への無理解そのものだ。彼がいなかったら別の悪人が同じ事をしたのだろうか? 否、クリストフォルスの名を負う彼はやはり運命の人、選ばれた人だったように思う。2014/03/03
しろくろ
1
コロンブスの優れた航海技術や航海の様子、インディアンを絶滅に追い込んだ様子などが分かりやすく書かれていて読みやすく、インディアンの地が「アメリカ」になるまでの歴史についてとても勉強になった。欲しいものの為に手段を選ばない白人入植者と争いを好まず財産や土地を無償で分け与えるインディアンの思想の違いが面白かった。インディアン達は遠い大陸から歩いて大変な旅をしてきただけに助け合いが大事ということを分かっていたのかもしれない。2018/06/13