感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
339
著者のハインリッヒ・ホフマンはドイツのお医者さん。3歳になる息子のクリスマスにいい絵本が見つからないので、自分で作ってしまったのがこれ。それが出版されることになって、世に知られるようになった。19世紀半ば、今から180年前のものである。お話は、ドイツ民話の伝統を踏まえているようで、時には残酷で幾分グロテスクなところもある。絵は石版画に彩色をほどこしたもの。独特の味わいといえば、そうだ。今の日本の子ども向けにはともかく、歴史的価値は大いにある絵本。皆様、一度ご照覧あれ。2023/11/02
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
109
19世紀にドイツで精神科医として働いていたホフマン博士は、クリスマスに3歳の息子のために描いた絵本で名を残した。味があって魅力的だけど、どこか素人ぽさが残る絵。でも、わが子へのプレゼントが出版される事になった時、博士は一切の修正を認めなかったという。小さな子ども向けの絵本にしては、教訓的で残酷な描写が目立つ。マッチで遊んで灰になってしまった女の子、指しゃぶりが直らなくてハサミで指を切られてしまった男の子。エドワード・ゴーリーのようなブラックさ(ゴーリーは教訓的ではないけど)。1985年9月初版。2016/04/20
HANA
63
読友さんのお勧め。表紙にも登場しているもじゃもじゃペーターのインパクトが凄すぎて、彼が主人公なのかなと思いきや、冒頭だけの登場でした。基本的に子供を戒める話を集めたものなんだけど、コレ子供に読ませて大丈夫なのかな。マッチで遊ぶ少女は燃え尽きて灰だけになり、黒人を揶揄った男の子たちはインク壺に入れられ、スープを飲まない男の子は餓死、親指をしゃぶる子供は指を切り落とされる。凄惨な話の数々が妙に素朴でヘタウマな絵と共に語られる様は、何とも言い難い印象を残すなあ。作者は自身の三歳半の子のために書いたらしいけど…。2017/07/21
KAZOO
60
本当に海外のとくにドイツのおとぎ話は怖いものが多いと思います。グリムにしてもそうなのですが、この本は得もかなり狂気的なところを感じさせてくれます。はじめはシザーハンズの亜流みたいな印象でしたのですがまるっきり異なります。よく最近の子どもがこのような本に耐えられるのかなあと感じます。2015/04/14
♪みどりpiyopiyo♪
49
いいこにしてる こどもには みこキリストが やってくる ちゃんと スープを ぜんぶのみ パンも のこさず たべるなら … ■絵本の超古典を読みました。1844年の作です。■大人から見た「困った子」を主人公にした小さな寓話が10篇。どれも最後は大小の悲劇に見舞われます。■「お行儀の悪い子」と言えば まあそうなんだろうけど、現代の知見で言うと、半分くらいが発達障害系の子の様に見受けられます。現代の子供に読ませたいかというと全く読ませたくないんだけど、200年前のドイツの子供観が窺えました。(1844年)2019/02/19
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- 和書
- 松本連隊の最後 角川文庫