出版社内容情報
NHKのEテレで放送された番組の書籍化。人形のQくんと、ぬいぐるみのチッチの掛け合いで、物語が展開します。この巻のキーワードは「なんで?」。「なんで、夜がこわいのかな?」と理由を考えていくと、思いがけない答えがでてきます。画像やイラストもたくさん入り、楽しく読みながら深~く考えることができる本になっています。道徳の教材にも使えます!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
29
なるほど哲学だなあ。夜がこわい理由をいろいろ考えていくと、その中に共通の要素があることがわかってくる。Qくんは夜がこわい理由を見つけたつもりだが、それと同時に、考えぬいてそこから発見をしていく方法、過程を身につけたことになる。そちらの経験こそが、ひとつの事実の発見よりもQくんにとって大きなことではないだろうか。きっかけは「なんで?」という疑問である。他人からあっさり説明してもらうより、自分で考えてから得られることの効果はきっと有意義だろう。で、ところで夜はこわいけど、なんでこわいことは夜に起こるのかなぁ?2024/09/10
遠い日
8
「Q~こどものための哲学」シリーズ。夜が怖いのはなぜか?怖いということの考察から始める。怖いものは人それぞれで、怖さの内容もみんな違う。それでいい。そしてQくんが辿りついた「こわいっていうのは、自分のいのちをまもるためにひつような感かく」なのだという考えは、言い得て妙。未知のものの前で、無防備に突き進んでしまうのは危険を孕むことがあるから、怖いと感じることでいったん立ち止まることは賢明だと思う。2022/05/19