出版社内容情報
「うまいことを言ってるが、君は悪魔なんだろう?」結婚を控えた地下鉄の運転士、酔って駅のホームに立つDV男、仕事と恋人を失ったフリーター……。岐路に立つ彼らのもとにやって来るのは天使か、悪魔か? 見知らぬ隣人たちの人生が闇の奥で接近し、思いがけぬ物語へと織りなされていく――。容赦ない運命と温もりが同居する、ちょっと怖い物語。運命の裏事情、教えます!
目次
レイトショーのケイト・ショウ
天使と一宮定男
悪魔と園田深
今宵守宮くんと
カフェ霜鳥
ほよん
LOOKER
おれ、降臨
宇宙人来訪
中津巧の余生
内容説明
「うまいことを言ってるが、君は悪魔なんだろう?」結婚を控えた地下鉄の運転士、酔って駅のホームに立つDV男、仕事と恋人を失ったフリーター…。岐路に立つ彼らのもとにやって来るのは天使か、悪魔か?見知らぬ隣人たちの人生が闇の奥で接近し、思いがけぬ物語へと織りなされていく―。容赦ない運命と温もりが同居する、ちょっと怖い物語。運命の裏事情、教えます!
著者等紹介
小野寺史宜[オノデラフミノリ]
千葉県生まれ。2006年『裏へ走り蹴り込め』でオール讀物新人賞を受賞。2008年、『ROCKER』でポプラ社小説大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mayu
28
突然訪れる死、死ぬはずだった人とそうではなかったのに死んでしまった人、少しの事で運命が変わる。死を操る天使と悪魔。「死」をテーマにしているのに悲壮感が強くなくて読みやすい10編の緩やかな繋がりのある短編集。亡くなってしまった人達がなんとも優しくて切なくなったり、心がギュッとなったり。プラスを生む事ができなくてもマイナスは減らす事ができる天使が印象的だった。天使や悪魔が出てくるのに人間味がある不思議な世界観がとても好きな一冊だった。2024/09/14
タルシル📖ヨムノスキー
26
そもそも天使と悪魔ってどこが違うんだろう。もしかしたらそんなに大差はないのかもしれない。というか最終話を読むと、もしかして同一人物?読了後ふとそんなことを思う。天使や悪魔、幽霊そして宇宙人(?)が登場する。10の物語。後味の悪い話、感動で胸が熱くなる話がバランスよく収録されています。一番心に残ったのは第2話。この物語の主人公一宮定男が電車に飛び込んだ人を助けようとするといきなり天使が現れて時間を止めます。なぜ天使は時間を止めたのか!?よくある表現ですが、天使や悪魔や幽霊より、やはり人間の方が恐ろしい。2024/11/26
柊渚
21
人生とは一本の映画のようだと、誰かが言った。死は誰にも必ず訪れるものだけれど、それがいつかは誰にもわからないから。エンドロールが終わっても、ただひとり劇場の客席に取り残されてしまった人々のお話。悲しいけれど、ほんのり温かくて。各章、なんだか短編映画を観ているような気分でした🎞 映画の登場人物と観客が、スクリーン越しに言葉を交わす『レイトショーのケイト・ショウ』が好き!カシワイさんの装画も今回もやっぱり好き!2025/01/24
seba
20
タイトルの通り、人間の死に接した天使と悪魔、そして霊魂が登場する短編集。帯によると、運命とは天使と悪魔によって演出されたものだという。「みつば」という地名などに他作品との繋がりが垣間見え、そのこと自体は小野寺作品にはよく見られるのだが、ファンタジー要素を含むからといって独立した位置付けにしなかったことで、却って天命の普遍性を感じ、ある種の空恐ろしさも覚えた。突然の死の訪れには理由などないことが、人間にとっての唯一の平等である。作中のある人ならざる者はそう語る。よく聞く言い回しではあるが、改めて胸に留めた。2024/09/19
ぷにすけ
18
天使なのか?悪魔なのか?死を迎えた人たちが最後に見た者は、はたしてどちらなのか・・・?短編集1番目の「レイト・ショーのケイトショー」は特におススメ!2025/01/22