出版社内容情報
凪良 ゆう[ナギラユウ]
著・文・その他
内容説明
小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。百音と統理は血がつながっておらず、その生活を“変わっている”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。三人が住むマンションの屋上には小さな神社があり、断ち物の神さまが祀られている。悪癖、気鬱となる悪いご縁を断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるが―
著者等紹介
凪良ゆう[ナギラユウ]
2006年にBL作品にてデビューし、「美しい彼」シリーズなど作品多数。2020年『流浪の月』にて本屋大賞を受賞。2021年『滅びの前のシャングリラ』がキノベス!2021第1位(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
370
ゼリーって掬って食べても掻き混ぜてもいいんだ。紅茶ってまだ知らない香りがあるんだ。気づいたら時は流れて春は散り重なっていたなんて。ずっと探していたんだ。穏やかな風を強い日差しを、星を月を雨の潤いを。あの大切な想いを幾多、空を見上げて聞き返しても幾度。安心。このたった二文字に彷徨い続けて、自身のことがなぜか一番曇って見えなくなって、心と体が離れていってしまって。夕闇のように柔らかに染まっていければいいはずなのに、朝焼けを東の空が青く澄めれば美しい庭には光がきっと射すはずなのに、そんな器用になんて出来なくて。2023/05/13
ムーミン
253
「できれば『ぼくたちは同じだから仲良くしよう』より、『ぼくたちは違うけど認め合おう』のほうを勧めたい。次の授業では、ぜひそこまで進めるよう先生にがんばってもらいたい」「次の次では、『それでも認められないときは黙って通り過ぎよう』だな。『無駄に殴り合って傷つけ合うよりは、他人同士でいたほうがまだ平和』ってあたりまで」p2942024/02/28
麦ちゃんの下僕
186
文庫版には、統理が語り手を務める番外編「ぼくの美しい庭」も収録。本編では、路有など他者から見た“神の如く”達観したイメージでしか描かれていない統理ですが…意外とユーモラス(!?)な人物なんですね(笑) ちょっと笑ってしまいました。2022/05/30
まさきち
179
屋上に縁切神社が祀られてるマンション。そこに暮らす神社の宮司と、血の繋がらない亡き元妻の忘れ形見の少女。そして隣室で暮らす宮司の旧友でゲイの青年。そんな彼らの周りで繰り広げられる心の開放とあたたかい回想を集めた短編集。文章も平易でこちらの心の中にスッと染み込んできて、本当にほっこりとした気持ちで読み終えた一冊でした。2024/07/18
fwhd8325
164
美しい庭であると同時に、美しい人たちの物語でした。桃子さんのエピソードが一番心に残りました。特に「兄の恋人」は胸が熱くなる物語でした。もっと桃子さんの物語が読みたいと思います。2022/02/06