出版社内容情報
倉数 茂[クラカズシゲル]
著・文・その他
内容説明
人ならざるものを見てしまう高校生の美和は、雪の中道に迷い、見知らぬ街に迷い込む。その一角で、割られた窓ガラス越しに、じっとこちらを見ている男がいた。男は死体だった。一方刑事の浩明は、死体発見の報を受け、現場に駆け付ける。被害者の斗南は、数日間体の自由を奪われ、食事も与えられないという残虐な方法で殺されていた。浩明は同僚の絵美とともに斗南の過去を探るのだが、予想外の事実が浮かび上がり―。
著者等紹介
倉数茂[クラカズシゲル]
1969年生まれ。大学院修了後、中国大陸の大学で5年間日本文学を教える。帰国後の2011年、第1回ピュアフル小説賞「大賞」を受賞した『黒揚羽の夏』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いたろう
70
岩手県の架空の町、七重市の住宅で発生した老人殺人事件。仙台から移ってきた老人は、何故、この家に住み、何故、殺されたのか。捜査を担当するのは、岩手県警のシングルマザー刑事、川野絵美と一課に配属されて間もない新米刑事、麻戸浩明。第一発見者は、東京の高校に馴染めず、兄を頼って、岩手の高校に編入した滴原美和。「名もなき王国」で、著者の小説を初めて読んだが、本作で、どうも前日談がありそうと思ったら、滴原千秋・美和兄妹のシリーズ3作めだったのか。これは、前作も読まなければ。そして、川野・麻戸コンビの新たな活躍も期待。2021/06/21
信兵衛
30
緊迫感や驚愕の事実!といったものは有りませんが、こうしたミステリ、私は好きです。2021/07/15
あっちゃん
25
幻想ミステリで社会派(笑)なかなか無い組み合わせだけど、なかなか面白い!殺人事件の第一発見者と新米刑事の2視点からの内容に中弛みなしで読了( ̄▽ ̄)2021/07/18
四弦桜
21
あらすじを見てどストライクなホラーミステリかと思いきや、ハンセン病に深く切り込んだ社会派ミステリ。 人ならざる者を見てしまう美和と警察に妙に攻撃的な兄の千秋…主人公らしいのに扱いが軽い。霊的な描写もあるのにそこはスルー。 この兄弟はなんだったんだ?と思って読み終われば、これシリーズ物だったのですね…😅 次からは分かるように書いといて下さい。 シリーズ最初から読みたいなと思わせる程の読み応えはありました👍
くまちゃん
20
ミステリーだけど、ちょっとホラー入ってる。でもホラーの部分いる?って感じであまり事件には関係ないって思ったら、この兄妹の3作目だった。前作ではホラー、活かされてたのかな?今作ではいらない感じも。 事件の内容よりハンセン病の事が多く書かれていて、勉強になった 2021/06/30