出版社内容情報
人に見えないものが見える力を持つ女性・お百が江戸の「失せ物」を解決する!
内容説明
「化け物長屋」に住むお百の左目は、人には見えないものを見る。お百はその力を使っていわく付きの捜し物を行う「失せ物屋」を営むが、そこに化け狸の焦茶丸が転がりこんできて―。忘れた記憶、幽霊が落とした簪。奇妙な依頼に隠れた因果を、お百と焦茶丸が見つけ出す。業と人情の詰まった、江戸あやかし物語。
著者等紹介
廣嶋玲子[ヒロシマレイコ]
神奈川県生まれ。『水妖の森』で、ジュニア冒険小説大賞を受賞し2006年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
87
児童書でご活躍の作家さんらしく、ほんわかしたり、怖かったり、クスリとさせてくれる。お百という女性が主人公。齢28歳、左目に黒い眼帯、金と酒が大好物。誰が見ても堅気とは思えぬ表情と目つき。眼帯をはずした彼女の左目の青さは常人には見えぬものを見通す力がある。ある日、お百は子狸を危機から救い長屋に連れ帰ると狸は男の子(焦茶丸)に化けた。2人の同居生活が始まり、失せ物探しを糧とするお百の元にいろんな仕事が舞い込む。焦茶丸の可愛さと伝法なお百との馴れ合いがいい。不思議ワールドに連れ込んでくれる面白さは今後も楽しみ。2020/09/11
ゆみねこ
78
化け物長屋に住む、左目だけが青いお百は、人には見えないものを見る特別な力を使い、失せ物探しを生業にしている。転がり込んだ化け狸の焦茶丸と曰く付きの失せ物を見つけ出す。シリーズのスタートかな?次巻が出たら読みたいです。面白かった!2020/04/10
はる
64
人には見えないものが見える左目で「失せ物屋」を営む女性が主人公。さらりと読みやすいが、人間の業のような部分が多く描かれていて複雑な余韻が残ります。登場人物も個性的でいい感じ。特に勝気な主人公と居候の化け狸の子の掛け合いが楽しい。長屋の住人たちは思わせぶりな登場の仕方なので、シリーズ化しそうです。2020/04/07
はつばあば
49
炬燵の上に4冊の本。こまっしゃくれた子の本とこの失せ物屋の表紙の尻尾の生えた子供の絵と比べてこちらを優先(#^^#)。人には視えない力を左目に宿すが故に悲しい過去を持つ、口が悪くて気が強い・・憎めない主人公。そんなお百に助けられた子狸は焦茶丸と名前を貰う。このコンビと大家の銀子さん、癖のある住人達に絡め取られた私の心(#^^#)。。2巻目いきます(#^^#)。もしかしたらこの方の本、結構シリーズ物が多いからまだまだ続くかも2021/01/06
ひさか
46
2020年2月ポプラ文庫刊。書き下ろし。物事を見通す青い右目を持つお百と化け狸の焦茶丸が、不思議な依頼を解決していく、ファンタジー。お百の怖さと優しさが、アンバランスで、少し違和感ありました。お百は、それほどに辛い過去を持っているということなのかも。2020/05/11