出版社内容情報
上野広小路から湯島天神に至る坂の途中の宿「如月庵」を舞台にした、疲れた心も癒される大人気時代シリーズ第3弾!
内容説明
湯島天神坂にある隠れ宿・如月庵。絶品料理に舌鼓を打って風呂に入れば、旅の疲れも浮世の憂さもきれいに消えると噂だ。ある日、非凡な記憶力で如月庵を支えてきた下足番の樅助が、客の名前を思い出せなくなってしまい―。温かくて元気が出るお江戸人情シリーズ第3弾!
著者等紹介
中島久枝[ナカシマヒサエ]
東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業。フードライターとして活躍中。『日乃出が走る』で第3回ポプラ社小説新人賞の特別賞を受賞しデビュー。著作に「日本橋牡丹堂 菓子ばなし」「一膳めし屋丸九」シリーズなどがあり、両シリーズで第一回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
109
お宿如月庵へようこそ 湯島天神坂3作目 2019.11発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。 十三夜に鼻煙壺の夢、王子の願い石と卵焼き、おならの顚末、恋の行方と菊の花の4話。 梅乃が、噂の隠れ宿・如月庵で部屋係として奮闘する物語です。 下足番の樅助は、何でも写真に移したように、記憶にとどめて聞けばその記憶をたちどころに紐解いてくれます。その樅助の記憶が、はっきりしなくなります。 昔奉公していた川内屋の蟹吉の事を思い出したくないために、心に封印した記憶が出てきて、心が乱れて…。🌿続く→ 2020/12/16
とし
107
湯島天神坂 お宿如月庵へようこそ「上弦の巻」 3巻。湯島天神坂にある隠れ宿如月庵を利用される4組のお客様のそれぞれのお話と、物忘れの症状が出てきた記憶力バッグンの下足版樅助の過去の話を絡めながら、梅乃、紅葉さんが少しずつ成長していく様子が良いですね。 2021/05/06
おしゃべりメガネ
88
シリーズ第3弾。今回は類い稀に見ぬ非凡な記憶力の『如月庵』の下足番「樅(もみ)助」メインで話が進みます。抜群の記憶力でお客様をもてなし、他のコトにも博識な彼がある日、ふとお客様の名前を思い出せなくなったり、間違えたりしてしまいます。年齢的なモノもありつつも、すっかり彼は自信を失くしてしまい、意気消沈状態に。どうやら彼の秘められた過去に原因がありそうです。そして本作においても相変わらず元気いっぱいな「梅乃」と「紅葉」。今回もとあるミッションで「紅葉」が大活躍。すっかり主役をくってしまっているかもしれません。2025/01/31
タイ子
72
シリーズ第三弾。いいですね、タイトルの副題が。第二弾は三日月で今回は上弦の巻。今回は一度見聞きしたら忘れないという驚異の記憶力でお宿の頼り頭、下足番の樅助が急に忘れっぽくなった。もしや、年による…。樅助の過去の出来事も語られたり、お宿での結納の席にておならの音が・・・。好き同士の2人なのにご破算になるのか。梅乃たち女中が大事なお客のため奔走する。その顛末にニヤリと。梅乃と紅葉それぞれの恋も上がったり、下がったり。今回もほっこりと読了。2019/12/07
はにこ
47
下足番の樅助がメインの巻。記憶力が凄まじく良い樅助の記憶力に陰りが。。お歳だからボケてきたのかとヒヤヒヤしたけど、気になることがあるとパフォーマンスは落ちるものね。安心した。その気になることが40年の時を経て解決するなんてビックリ!今回も色々なゲストが出てきたけど一話目の百衛門の物欲が怖かった。さて次は誰がクローズアップされるのかしら。2021/04/12
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- 神獣奇譚 竹書房怪談文庫