ポプラ新書
極限メシ!―あの人が生き抜くために食べたもの

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  • サイズ 新書判/ページ数 182p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784591164471
  • NDC分類 916
  • Cコード C0295

出版社内容情報

極限からの生還者たちに、「何を食べ、どのように生き抜いたか」を聞くことを通して、生きることと食べることの意味を問い直す。

内容説明

極地、戦場、絶海―あらゆる「極限」を嘗め尽くした者たちに、「何を食べ、どのように生き抜いたか」を聞くことを通して、生きることと食べることの意味を問い直す。災害やテロなど、いつ極限に陥るかも知れない私たちにとって、彼らの経験を読み、追体験することは有益なはずだ。想像を絶するサバイバル・インタビュー集が誕生!

目次

第1部 極限への挑戦(光のない世界を歩く四カ月にわたる極夜行。探検家の胃袋を満たした“ごちそう”とは?―角幡唯介;どんな極限状態でも人は食に喜びを見いだす。国境なき医師団の看護師に聞いた「紛争地の知られざる食事情」―白川優子;捕れたてのザリガニを頬張りながら、アーバンサバイバルの実践者に「自然」との付き合い方を聞いてみた―服部文祥)
第2部 極限からの生還(「吐くとわかっていても食う」船酔い地獄のマグロ船から生還するため、死ぬ気で食べた四十三日間―齊藤正明;たったひとりの生還。わずかな水とビスケットだけで太平洋を漂流した二十七日間―佐野三治;マイナス四〇℃超のシベリア。黒パンをかじりながら、祖国へ戻る希望をひたすら抱き続けた男―中島裕)
巻末インタビュー 東北、インド、サラエボ―。旅とメシを愛する作家が語る、食べること、笑うことが生きるための保障になる理由―角田光代

著者等紹介

西牟田靖[ニシムタヤスシ]
ノンフィクション作家。1970年大阪府生まれ。神戸学院大学卒業。旧日本領のその後を訪ね歩いた『僕の見た「大日本帝国」』が2005年度の新潮ドキュメント賞候補作となる。2014年の離婚をきっかけに親権問題、虚偽DV、“逆DV”、シングルマザーなど家族問題へとテーマを広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

60
人は食べないと、命をつなげない。食べることには、置かれた状況が、否が応でも関わってくる。そんな6人の実話集。大きく二つに分かれていて、自分も承知の上でというパターンと、極限状態に置かれてしまったというパターン。とにかく、あるものを食べる、そこでの精神状態も重要な要素。奇麗ごとでは済まない世界。想像だにできなないが、食のありがたさは、痛感している。2021/08/24

ホークス

44
2019年刊。極限において何をどう食べたのかを6人に取材。単独極地行の角幡氏や、紛争地で活動する「国境なき医師団」の看護師は、挑戦した実感を生々しく語る。改めて衝撃を受けたのはシベリア抑留の生還者。マイナス40度での過酷な労働で、60万人のうち6万人が亡くなった。暖をとるために死者の衣服を奪い合ったという。殺気立つ視線の中で分配された黒パンの再現画像は恐ろしいほど粗末だ。誰もがちっぽけな欲望や優越心で、たやすく極限を生み出す。一人で野垂れ死ぬのも仕方ないと私は思う。だから極限を生き抜いた話が響くのだろう。2020/11/29

booklight

36
メシ通連載のインタビューの新書化ということで気軽に。北極圏のアザラシはおいしそう、鶴見川のザリガニは食べたくないなぁ、シリアのリンゴの差し入れ、マグロ漁船のリポD飲みまくりでないとやっていけないのか、漂流中のカツオドリを手づかみして胃内容物、シベリアの黒パンはこれまた集団での飢餓状態という超特殊な状況。どれもなんとなくは知っているけど、ディテールを聞くとまた迫力がある。極限メシ、はあおりすぎだけど。角田さんへのインタビューは、タイでマラリアで動けなくなるなど、それはそれで興味深いけどゆるめ。ファンでした?2023/08/27

つちのこ

31
6人の体験が取り上げられているが、極限の中で食べたものに対してクローズアップされていないのは残念。入手法や調理法、味など、もっと深く踏み込んだ内容にして欲しかった。特に角幡唯介や服部文祥といったサバイバル実践者の食へのこだわりや体験は、せっかくの題材に対して突っ込みが不十分。内容は6人の体験や生き方のルポが中心となっており、タイトルの極限メシとはズレている。対談で角田光代を取り上げたこともとってつけたよう。極限メシとはつながらない。本書の意図がどこにあるのか、今一つ分からない中途半端な内容であった。2023/04/01

ちさと

31
探検家など覚悟の上で極限へと飛び込んだ人、船の転覆により漂浪という意図せぬ形で極限へと巻き込まれた人など、6名の極限をサバイバルした人達をインタビューしたもの。「食べるとは何か」の話の前に、その動機や経験が興味深く、同時に読むほどに動揺されられました。シベリア抑留経験者の「栄養失調で仲間が死ぬとすぐに遺体の服の取り合いになる」という証言が胸に刺さります。飢餓は人間の理性を消し、心身全ての感覚を麻痺させるんでしょうね。2022/11/28

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