出版社内容情報
教室の中の小さな声も大切にしてほしい…! クラスのレク決めをめぐる熱い闘いを描いた物語。ズッコケ文学新人賞最終選考作品
内容説明
千木田寛仁は卓球好きで、引っこみ思案な小学五年生。クラスでも地味な存在だが、親友のマッスーと毎日楽しく卓球の練習をしている。そんな千木田のクラスで行うレクリエーションは、いつも、運動神経もよく、ケンカも強い男子が推すサッカーやバスケになる。半分諦めながら、彼はそのことがずっと心に引っかかっていた。小さな声も大切にしてほしい。そしてレクで卓球もやってみたい…!クラスの“レク決め”をめぐる熱い闘いが始まります!第7回ポプラズッコケ文学新人賞、最終選考会話題作!!
著者等紹介
蒔田浩平[マキタコウヘイ]
1980年、東京都に生まれる。2003年、明治大学政治経済学部卒業。同年共同通信社に入社し、現在政治部に所属。第7回ポプラズッコケ文学新人賞最終選考に残った「チギータ!」を加筆修正し、同作でデビューする
佐藤真紀子[サトウマキコ]
1965年、東京都に生まれる。多くの作品の装画・挿絵を手がけ、今を生きる子どもたちを描き続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
50
児童書。小学5年生の千木田寛仁(せんぎだひろひと)は引っ込み思案で地味な男子。クラスでやるレクリエーションは多数決で決めることになっている。なので毎回多数派のサッカーやバスケに決まってしまうが、千木田は卓球がやりたいと思っていた。多数派に従わなければいけない決め方に疑問をもった千木田は、親友のマッスーと作戦を立てる。▽小さな声を大切にして欲しいという気持ちと、多数派の有利だけに流されない作戦!すごく良かった。最後の卓球対決もはらはらした。2019/06/10
chiaki
35
スクールカーストが引き起こす多数決の不平等さを描いた作品。クラスのレクリエーションでするスポーツは毎回多数決で決まってしまうから、2番目以下少数派の意見は採用されないことに不満を抱える千木田とマッスー。はじめは単に卓球がやりたかっただけの2人だけど、心強いメンバーも増えて次第に『小さい声』の代表者として本当に平等な投票とは何かを考えるようになる。最後、卓球の試合は手に汗握るような疾走感!今作が著者のデビュー作とのことで、今後も楽しみな作家さんだなーと思いました。2020/07/07
みつばちい
31
クラスレクの決め方をめぐり、少数意見の子達が結束してクラスの声の大きい男子軍団に立ち向かう話。読みやすく、言いたいこともストレートに伝わる本。「結局いつもクラスの中心グループたちの意見に決まってしまう」経験や不満は多くの子が持っていると思うので、おすすめしたい。「こどものとうひょう おとなのせんきょ」というかこさとしさんの絵本を思い出した。確かあれも休み時間のレクだか場所とりの話で、多数決の弱点をわからせてくれる内容だったような、、読み直してみよう。併せて紹介してもよいかも。2021/09/02
白雪ちょこ
20
引っ込み思案で、あまりクラスでも目立っていない主人公の千木田くん。 レク決めという、小学校の時にある楽しみのひとつの会議。 そこで、権力&外見全てにおいてカースト上位である榎元くん率いるグループに、彼ら「チーム小さな声」が挑んでいく物語。 小学校の時だからこそ、無意識に誰が上位で下位かという、カーストをしてしまうのは自然なこと。 卓球で立ち向かって行こうとする彼らの勇姿は、とてもかっこよかった。 最終的に、上位も何もない、それぞれ打ち解けて仲良くなり、平和的かつ希望の見えている終わり方も良かった。2022/12/30
マツユキ
12
佐藤真紀子さん絵の児童書を探っていて、見つけました。 クラスで月一回あるレクは、多数決で、いつもサッカー。卓球をやりたい「ぼく」とマッスーは…。 身近な多数決がテーマになっているのが、面白い。声が大きいものの意見が通る。仕方がない、で、終わらない子供たち。小さな声を出し、集めたら力になる。必殺技ありの卓球勝負もあり、楽しかったです。 2021/02/17