内容説明
伝説のロック・スターが十年ぶりにカムバックする―その情報をつかんだ女性ニュース・キャスターはさっそく特別番組の制作にとりかかり、局内は新曲発表のスクープに色めきたつ。ところが、取材中の思わぬ誤算から、おぞましい事件が発生。サンフランシスコに出向いたコロンボ警部は、復活の歌に秘められた謎に挑む…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード＠永遠の若者協会・怪鳥
101
テレビドラマ化されなかった幻の作品。10年前、たった一枚のアルバムを残して引退したカリスマロッカー。彼が復活するという特ダネを得て独占インタビューに成功したニュースキャスターだが、そこに起こった悲劇。コロンボシリーズの魅力は念入りに計画し完全犯罪を企む知的犯罪者とそれを暴くコロンボの駆け引きが最大の魅力であると思っている。だとすれば、今回の犯罪は推理物としては「甘い」と言えよう。だから御蔵入りになったのだと思える。だが、殺されたロック歌手の残した最後のメッセージ、これはなかなかいいラストだと思う。★★★＋2017/09/28
ニミッツクラス
6
95年の初版（550円）を読んだ。コロンボオリジナルではなく、コロンボ没シナリオの北沢氏によるノベライズ本。情景を想起すると映像化の難しさが見える。ネコや少年の演技指導も面倒そうだが、それよりも伝説と化した楽曲を披露しないわけにもいかず、その作曲は至難だろう。陳腐な曲ではドラマの成立そのものが危ぶまれる。ともあれ、事件の淡白さを補って余りある胸を打つストーリーに仕上がっており、小説としてはとても良質だと思う。「13秒の罠」の相棒はウィルスン刑事だが、本件では抜けてる感じのホワイト刑事が登場。★★★★☆☆2014/08/29
大泉宗一郎
6
コロンボ警部のいつもながらの推理力はバツグン。映像化にしたら『新シリーズ』トップは疑いなしだったのに残念！ 後半なんて良かった。2010/05/05
有沢翔治@文芸同人誌配布中
3
伝説の歌手、ブラーデンが十年の歳月を経て、新曲を出すという。それを取材しにニュースキャスターのシルヴィアが彼のアパートまで訪問した。しかし新曲の楽譜を見せられた彼女は唖然とする。そこには何も書かれていない五線譜。そのことを指摘すると急に怒り出し、シルヴィアに襲いかかったのだ。揉み合っている隙に殺してしまう。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/50901888.html2009/10/12
恵美
3
初コロンボ。コロンボについてはトレンチコートを着た「うちのカミさんがね」という刑事さんという程度しか知らなかったけど、思ったよりも可愛い。巻末の紹介を読んだら面白そうな作品がいくつかあったので、他のも読んでみよう。2015/01/06
