出版社内容情報
認知症の不安を抱く人々が訪れる「もの忘れ外来」を舞台に、看護助手・奈美の葛藤と成長を描く、感動の医療小説。北関東の小さな田舎町。海からほど近くの場所に、永善堂病院はある。風変わりな三兄弟が経営するこの病院に、ふとした偶然から看護助手として「もの忘れ外来」で働くことになった奈美。そこで目にしたのは、「自分が自分でなくなってしまう」恐怖と必死で戦っている人々の姿だった。自身も過酷な現実に押しつぶされそうになっていた奈美だが、彼らと真摯に向き合うなかで、少しずつ気持ちに変化が現れて---。
佐野 香織[サノカオリ]
著・文・その他
内容説明
「もの忘れ外来」―そこは、孤独や不安が明日への希望に変わる場所。認知症の不安を抱く人々が訪れる「もの忘れ外来」を舞台に、看護助手・奈美の葛藤と成長を描く、感動の医療小説。第五回ポプラ社小説新人賞・奨励賞受賞作家のデビュー作!
著者等紹介
佐野香織[サノカオリ]
『城砦歌』で第五回ポプラ社小説新人賞奨励賞を受賞。『永善堂病院 もの忘れ外来』がデビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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yukision
62
認知症は確かに出てくるものの,どちらかと言えばそこで働く人たちがメイン。働いている人たちの距離感と言葉遣いがちぐはぐな印象で,登場人物それぞれに魅力が欠けており終盤は流し読み。2021/12/08
あやっぴ
38
メラノーマになった奈美がひょんなことからもの忘れ外来病院で看護助手として働き始める。看護助手という立場上、看護士とは違い、問診、患者の身の回りの世話などに限られる。患者とのコミュニケーションも大事な仕事だ。しかしながら、タイトルにある、もの忘れの話がもう少し読みたかった…。この病院内の雰囲気もあまり魅力を感じなかったです。2019/03/01
keith
30
タイトルと表紙から明るい話かなと思ってましたが、そうではありませんでした。メラノーマで仕事も彼氏も失った奈美は祖父母宅へ身を寄せるが、近所の病院の物忘れ外来の看護助手として働き始める。奈美の仕事を通じて認知症のことを考えさせられますが、登場人物たちの性格が何かおかしくてはっきりしない。スッキリしない話でした。2018/11/08
あおけん
28
この方の作品を読むのは多分初めてです。図書館でタイトルと表紙の雰囲気に惹かれて借りてみました。複雑な理由があり、もの忘れ外来で介護助手として働く佐倉奈美の奮闘記って感じです。認知症に向き合う事や彼女が働き始めた理由とか、色んな事がてんこ盛りすぎてでハートフル系な感じのはずだがドタバタ感が強かったですね。読み始めて最初に感じた違和感が段々と解き明かされていく感じは良かった。2022/05/25
うさうさ
25
ゲラ読了。ある事情で病院の物忘れ外来の看護助手として働く事になった主人公の成長の物語。 医療小説で物忘れ外来が舞台って何て地味な設定なんだろうと思ったけど、患者が抱える孤独や家族の不安など、とてもリアルに描かれていてとてもよかった。 暗くなりすぎずハートフルな展開がよかった。2018/08/20