出版社内容情報
「死んでるみたいに生きるんだったら、意味がないと思ったんだ」というクマの子始め、動物たちの姿を通して「生きること」を考えさせる9つの物語。不器用で、けなげで、一生懸命生きている動物たちがそっと寄り添ってくれる、心にひとすじの風を通してくれるような作品集。文庫書き下ろしで「たいそう立派なリス」「聞いてくれますか」の2編を新たに収録。
もくじ
たいそう立派なリス 5
べっぴんさん 19
ショートカット 37
アメンボリース 57
朝の花火 77
聞いてくれますか 101
そらの青は 121
光る地平線137
クマのあたりまえ 155
内容説明
「死んだように生きるのは、意味がないと思ったんだ」というクマの子(表題作より)など、不器用で、けなげで、一生懸命生きている動物たちを主人公に「生きること」を考えさせる九つの物語。やさしい語り口とあたたかな目線で、そっと寄り添い、心にひとすじの風を通してくれるような作品集。文庫書き下ろしで「たいそう立派なリス」、「聞いてくれますか」の二編を新たに収録。
著者等紹介
魚住直子[ウオズミナオコ]
1966年生まれ。広島大学教育学部心理学科卒業。『非・バランス』で第36回講談社児童文学新人賞を受賞し、1996年に同作品でデビュー。『TwoTrains』で小学館児童出版文化賞、『園芸少年』で日本児童文学者協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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柊文庫本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきち
65
一気に読みふける本ではなく、寝る前にベッドの中でガーゼ生地のブックカバーをかけたこの本を手にゆっくりゆったり読みたくなった一冊。へんてこな主人公達のへんてこで、でも、心に沁みる行動や言葉にゆるりゆるりとした気持ちをもらえました。ヘビさんが主人公の章は、ウルリともしました。生きていると強がってしまわないと心が保てなかったり、見えてても見えないふりをしないと生き抜いていけなかったりすることもあるのかな?でもきっと最期は自分の気持ちに素直に優しく有りたいと思うのも生きているということなのかな?などと考えました。2017/11/14
ケ・セラ・セラ
27
「自分より辛い思いをしている人だっているんだから」って、優越感の上に立つ幸せの確認。実は10個あったのに、もともと8個だったように振る舞う姿。それってどうなんだとリスに指摘され、「死ぬのがこわい、じゃあ死んでるみたいに生きていないか」とクマに問われ。彼らに痛いところを射抜かれる。それでも私は当たり前のように生きている。2021/05/26
mntmt
26
文庫で再読。短編集。一編は短いけど、深い。なぜ生きているのか…2017/09/18
来未
23
2023年の一冊目。心あたたまる優しい一冊でした。健気な様子や傲慢な気持ちなど様々な感情をもつ動物たちを主人公として人間の世界にも置き換えられる出来事を通して心の変化や成長がみて取れる内容で自分にもこんな一面あるなぁと考えさせられました。表題作の「クマのあたりまえ」にある「死んだように生きるのは意味がない」というセリフはズシッと心に残った。「朝の花火」アオダイショウの心の変化。「そらの青は」分かり合う心や多様性。「光る地平線」生きる意味。この3作は特に印象に残りました。 子どもたちに読んで欲しい一冊です。2023/01/02
七月せら
23
動物たちがおくる童話のような日常の一コマ。さらっと読めてしまうけれど実はとても深くて、心に響くものが沢山ありました。「アメンボリース」の懐かしい優しさ、「クマのあたりまえ」の生きているあたりまえを考えることが特にお気に入りです。2017/10/10
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