きみがぼくを見つける

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  • サイズ A5判/ページ数 293p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784591151709
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

海辺に暮らす「ぼく」は雑貨店の貼り紙で見つけた犬を連れ、奇妙な逃避行を開始する。アイルランドの夜を駆ける犬と人間の物語。海辺にひとり暮らす「ぼく」は、雑貨店の貼り紙で見つけた犬を連れ、奇妙な逃避行を開始する。なぜ「ぼく」は「きみ(犬)」を求めたのか? 圧倒的な孤独の底から浮かび上がる、胸揺さぶる驚くべき秘密――。ブッカー賞受賞作家アン・エンライトが「真昼の炎のような作品。美しく、不意を衝く。目に見えないほど幽かなのに、その威力たるや測り知れない」と激賞した、アイルランド文学の話題作。

サラ・ボーム[サラボーム]

加藤 洋子[カトウヨウコ]

内容説明

海辺にひとり暮らす「ぼく」は、雑貨店の貼り紙で見つけた犬を連れ、奇妙な逃避行を開始する。なぜ「ぼく」は「きみ(犬)」を求めたのか?圧倒的な孤独の底から浮かび上がる、胸揺さぶる驚くべき秘密―。アイルランド、夜の涯てに立つ「犬と人間」の物語。2015年ヘネシー・アイルランド新人作家賞受賞作品。

著者等紹介

ボーム,サラ[ボーム,サラ] [Baume,Sara]
1984年、アイルランド人の母とイギリス人の父のあいだに、イギリスのランカシャーに生まれる。幼いころに家族でアイルランドに移住。大学では美術を専攻。名門ダブリン大学に進み、クリエイティヴ・ライティングで修士号を取得。二八歳のときに書いた短編が、ジェイムズ・ジョイスゆかりのパブが主催する、デイビー・バーンズ・ショート・ストーリー・アワードを受賞し、処女長編である『きみがぼくを見つける』の出版に結びついた。読者投票により、同書はガーディアン・ファースト・ブック・アワードにノミネート(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

南雲吾朗

57
知的障害を持つ老人と片目の犬の物語。草原に小春日和の温かな風が吹き抜ける感じの柔らかな文体なのに、綴られている物語はすごく寂しくて悲しい。亡くなってしまった父親との思い出、面倒を見てくれていた近所のおばさん、掃除もされずに積もった埃やガラクタにも小さな思いが詰まっている。だから忘れられないし、片付けられない。そんな思い出深い場所から、ある理由で逃避行を余儀なくされる。凄く、凄く切ない。「たぶん、ぼくにはどこにも行く場所がないし、行っても無駄なんだ。」最後の数ページでは涙が止まらなかった。2018/11/27

emi

49
言葉がのどに引っかかって沈黙せざるを得ないような、やるせない物語でした。最初は初老の男が犬を引き取って飼い始めるという穏やかな物語かと思いきや、少しずつ不穏な空気が漂ってきます。やがて思いがけない展開と真相が明らかに…。ひたすら犬に語りかける男の孤独は、深くて濃い。けれども、なんとも描写や比喩が繊細で。しんとした変化の少ない世界では、ひとつひとつのちいさなことが、とても大きなことに見えたり感じたり。けれど許されないゆえに歯車が少しずつ歪みを生じて、いつの日か恐ろしいところにいる。ワンアイの最後も胸が痛い。2017/02/11

ケロリーヌ@ベルばら同盟

30
きみは痩せこけていて、片目で下唇に抉られた傷がある、宇宙の穴みたいに真っ黒な犬。ぼくは岩のような背中に半白の三つ編みを垂らし、寸法が合わない脚でドタドタ手を振り回して歩く。ぼくらは生まれながらにその生の形を決め付けられた、透明な囚人だ。世間の人々は、ぼくらに注意は払うけれど、関心は持たない。ぼくらは見聞きした事を良く覚えて、草花の名前に詳しく、世の中を理解しているのだけれど。悲しい場所を捨て旅に出たけれど、ぼくらの行く先は、また新しい悲しみを生む。ぼくは何を求めていたのか。ワンアイ、きみはぼくのすべてだ。2018/09/17

ω

29
おぉ…。びっくり。1984年生まれ、アイルランドの女性作家さん。 片目を失った犬「ワンアイ」を引き取った、少しの知的障害の老人「ぼく」。彼らはひょんなことから車の逃亡生活を始める。数ヶ月後、「ぼく」の過去とその罪が明らかになり物語はクライマックスへ!! 生よりも死に包まれた自然描写がたゆまず続けられる。。 迸る春。滾る夏。怯む秋。萎れる冬。この章立てだけでも、作品の素晴らしさが伝わりそう。他に似た作家さんが思いつかないω 素敵な作品でした✨2019/07/25

ちえ

22
再読2021/08/11

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