出版社内容情報
臼井 二美男[ウスイフミオ]
目次
第1章 義肢装具士の仕事(義足のある生活とない生活;おしゃれもスポーツも楽しめる;海水浴も、どうどうと ほか)
第2章 義足とのであい(「一生の仕事」をさがして;高橋先生の義足の思い出;鉄道弘済会をたずねる ほか)
第3章 パラリンピックへの道(新たな才能とであう;サッカー一色の生活から陸上へ;パラリンピック日本代表に ほか)
著者等紹介
臼井二美男[ウスイフミオ]
1955年群馬県生まれ。1983年から財団法人鉄道弘済会・東京身体障害者福祉センター(現義肢装具サポートセンター)で義足を作りはじめ、作った義足は1000本以上。1989年よりスポーツ義足を製作。1991年に陸上クラブ「ヘルスエンジェルス」を創設。2000年のシドニー大会より、パラリンピックの日本代表選手のメカニックとして同行。スポーツのほかにも、義足をつうじてアートやファッション界とのコラボレーション、大学との共同研究など、活躍の幅を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
66
現在60歳のベテラン義肢装具士の臼井二美男さんの子供向けノンフィクション。パラスポーツを支える、アスリートのための義肢を作る臼井さんの熱意に胸が熱くなる。臼井さんがこの仕事に出会ったのは28歳の時。結婚するために、フリーターを辞め手に職を付けようと職業訓練校を見に行って興味を持った。「なんでもやってみなけりゃ、わからない」▽世界が広がる気がした2020/07/25
えりこんぐ
64
小5娘の読書感想文課題本。うちにも何年も前からお世話になってる装具士さんがいる。これまた良い人で、、娘の身体の特性は理解してるし、希望は聞いてくれるし臼井さんと全く同じ! 本当に頭が下がります。この様な人達の頑張りが、たくさんの人達に伝わってほしい。2017/08/19
Takeshi Kambara
29
パラリンピックなどで使用される競技用義足のパイオニア的な臼井さんの仕事との出会いから現在に至るまでを書いた本。足を失った人の大半は殆ど家から出なくなってしまうという現実の中で、患者さんがただ歩けるだけでなく走ったり飛んだり自転車だって漕げるようになるように一人一人に向き合い唯一無二の義足を作ることによって相手の人生に新たな希望の光を照らし出す、決して手を抜かず、睡眠時間を削りながら何度も何度もトライして最終的には「義足に血が通うまで」調整を続けるプロ意識は本当に凄いし、私も見習いたいと思った。2023/08/12
スノーマン
28
小5息子読書感想文用。大人の私でも読んだ後には、今までより世界が広がった気持ちになる。『出来ない』って簡単に口にしてないだろうか。義足をつけることになった、ここに出てくる人たちみんな、絶望感を味わいながらも働くことも旅行することも、走ることも跳ぶことも『出来る!』という強い気持ちが溢れている。それをサポートする臼井さんの仕事ぶりもまた素晴らしい。こういう努力を重ねて、どんな人もスポーツや娯楽を楽しめる社会になりつつあるのかもしれないと思うと、あまりにも自分自身が漫然と毎日を過ごしていないかと反省する。2017/08/19
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
24
仕事を始めるにあたり、向いてる仕事は何か?と迷って入り口にさえ立たない人が多いけれど、仕事を始めるきっかけなどどうでもよく、大切なのはたとえうっかりであったとしても踏み込んだ道をいかに進んでいくかなのだなと思わされました。大隈重信が義足装着者であったとは。戦後の傷病兵がまだ珍しくなかった頃、とってつけたような義足ばかりを目にすることが多くそのイメージが今もあるけど、義足でスポーツできるってすごい技術なんだなと初認識。2022/11/19