出版社内容情報
陸前高田市の港町で、震災の悲しみを乗りこえて海とともに生きる人々。その姿を温かみのある文と写真で描きだします。
陸前高田市広田半島の先端に位置する港町、根岬。この土地に暮らすある漁師と孫を追ったノンフィクション写真絵本です。
2011年3月11日に起きた津波によって一度は海に出るのをやめた漁師が、孫の言葉をきっかけに再び海に出る物語。
自然の脅威と恩恵の両面を受け入れて、震災から立ち上がろうとする人々の姿を生き生きと描きだします。
著者は、テレビ・ラジオでも活躍中の若手フォトジャーナリスト、安田菜津紀さん。本書が初の単独著書です。
内容説明
「じいちゃんがとってきた白いお魚がもう一回食べたい」孫の一言に背中をおされて、漁師は再び海に出た。
著者等紹介
安田菜津紀[ヤスダナツキ]
1987年神奈川県生まれ。studio AFTERMODE所属フォトジャーナリスト。現在、カンボジアを中心に、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で貧困や災害の取材を進める。東日本大震災以降は、陸前高田市を中心に被災地を記録し続けている。2012年、「HIVと共に生まれる―ウガンダのエイズ孤児たち」で第8回名取洋之助写真賞受賞。テレビ・ラジオで、コメンテーターとしても活動中。『それでも、海へ―陸前高田に生きる』が自身初の写真絵本となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@鬼畜ヴィタリにゃん💗
68
思い出したくないけど忘れたくない東日本大震災。みんな本当に辛かったね。津波に飲まれた陸前高田市(ロッテ佐々木朗希様の出身市。彼もご家族をこの震災で亡くされています)漁船が流されもう漁を諦めかけていたおじいちゃんだが、孫の修吉くんに「もう一度おじいちゃんの白い魚が食べたい」という言葉を胸に再び海へ!!!午前2時には出かける。修吉くんもちゃんと手伝っている。海に酷い目に遭っても彼らは海を恨まず愛し続けている。2023/07/20
てんちゃん
41
『津波によって一度は海に出るのをやめた漁師が、孫の言葉をきっかけに再び海に出る物語。 自然の脅威と恩恵の両面を受け入れて、震災から立ち上がろうとする人々の姿を生き生きと描きだします。』読メのあらすじがよく書けているので、そのまま引用しちゃいました_(^^;)ゞ写真絵本なので、読みやすいです。良書です。オススメ。2017/03/01
たまきら
27
大人のかたくなな心を動かしてくれるのは幼い心なのかもしれないなあ…と読みながら思いました。そして、子供の思いをきちんと受け止めることができる深い心を持った大人たち。地域の力…胸がいっぱいになりました。写真も素晴らしいです。2020/12/19
けんとまん1007
26
子どもたちの持つ力は、素晴らしいものがある。そして、それは、未来への希望にもつながる。そんなお孫さんの言葉から、この物語は始まる。海に生きる、代々、海と共に生きてきたという事実。海と共にある。そこには、海への畏敬の念もある。人は、こうやって、いろいろなことを乗り越えてきたのだと思うと、思いは拡がる。そんな最初は小さな動きが、やがて、周囲の人々へも広がっていく。誰もが、そんなきっかけを待っているのだろう。それにしても、つぶ貝、美味しいだろうなあ~。2016/04/08
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
17
教育出版国語 6年生 【平成27年度教科書掲載本 令和2年度教科書掲載本】 6年生国語科単元『書評を書いてみよう』の選書。読書カードを書いてみようという単元を中学年でやりましたが、今回は書評。ポイントとして【テーマ】【著者の紹介】【作品の背景】【本の内容】【評価】と分けて説明しました。この本のテーマは【平和】東日本大震災によって、海に出なくなった漁師のおじいちゃんは、孫が言ったひと言に漁にでることに…。2020/12/02
-
- 和書
- 濃すぎた化粧