出版社内容情報
ぐうたらでも、恋人がいなくても、こんなに楽しく生きていけます! 直木賞作家が贈る、昭和の大学生のほんわかゆるゆる青春小説。
内容説明
朋輩との切磋琢磨(麻雀)や日課(居酒屋通い、たまに庭の蛙観察)にいそしむ山越只明くん、二十歳。妙なバイトに借り出され、偏屈な教授の弟子にされつつ、毎日はおおむね愉快に、時折切なく過ぎてゆく。直木賞作家が贈る、昭和のぐうたら大学生のほんわかゆるゆる青春小説。
著者等紹介
芦原すなお[アシハラスナオ]
1949年香川県観音寺市生まれ。早稲田大学文学部卒。86年『スサノオ自伝』でデビュー。90年『青春デンデケデケデケ』で第27回文藝賞、翌年に第105回直木賞を受賞。2005年に、観音寺市の名誉市民として顕彰される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミュポトワ@猫mode
35
図書館本。自伝ぽい内容。マジの自伝じゃない?主人公と作者の名前違うけど。内容は、グウタラでテキトーな大学生の日常をつづったものです。こういう性格の人、大好き♪高校時代の親友がまさにこんな感じで、就職しないでフラフラしてましたw私は、主人公に向かって怒っている立場の人で、早く就職しろって言ってましたw今、なにやってんだろーなぁって懐かしく思いましたよ。そういえば、出身大学同じだな、作者と親友w同じようなのが集まるんですかねwこういう生活したいなぁって思いつつ、自分は性格的に無理だなぁって思う、そんな本でした2019/04/23
kishikan
35
芦原さんにはなにか惹かれるものがあって、結構追いかけているのだけれど、この本(元本の雨鶏)も気になっていた一冊で、やはり読んでみると、ああ芦原節満載だなぁとまた満足。時代が自分の学生の頃とかぶっているだけじゃなく、山越君の精神構造とか設定が自分に似ているということもあるかもね。芦原さんを初めて読む人にはお勧めできないけれど、かなり読み進めてきた人には必読書かも。2014/07/19
アメフトファン
32
母校生協で買った本。大学生に読ませていいのか?と思うぐらい勉学に励んでいない貧乏学生の姿が生き生き描かれております。悪友がいて故郷で待つ親がいて。私の学生生活もここまでではなかったけどめちゃくちゃだったなと懐かしく思い出しました。あの自由な学生生活は人生で一度きりなんですね。ちょっとほのぼのとしてなぜか少し前向きになれる貧乏学生叙事詩でした。2013/12/11
coco夏ko10角
27
昭和のぐうたら学生のこれも青春。2016/04/02
Yuki
25
60年代の学生運動が盛んな時期の(おそらく)早稲田の学生、山越くん。彼の不真面目でだらけた大学生活を軸にした連作短編集。怠惰だけど飄々としててなんだか憎めない主人公と、彼を取り巻く友達との日常がゆるく語られる。基本的に山越くん自身に変化はないのだけど、たまに現れる学生運動の描写や友人の恋愛話が物語にスパイスを与える。平成の大学生ものといえば森見登美彦や万城目学を思い出すけど、昭和の大学生ものを書かせるなら芦原すなおなんだな、と思った。2018/09/21