内容説明
館内にこっそり置かれ続けるドッグフードの缶詰に、クリスマスツリーから消えた雪、空飛ぶ絵本に、半世紀前に読んだきり題名の分からない本を見つけてほしいという依頼…図書館が大好きな少女・しおりが、司書をしているいとこの美弥子さんたちと一緒に、本にまつわる謎を追う―。大好評のほのぼの図書館ミステリー第二弾!書き下ろし短編も収録。
著者等紹介
緑川聖司[ミドリカワセイジ]
大阪生まれ。2003年「晴れた日は図書館へいこう」で、第1回日本児童文学者協会長編児童文学新人賞佳作を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
210
日常の謎には派手さはないが、そのかわりに推理の道筋のおもしろさこそ、小説としての見せどころになるだろう。ある意味でブラウン神父もののような、意表をついた真相も味わえる。そして「幻の本」のように、ちょっと涙ものの、ちょっといいお話も。図書館というのも、むかしのイメージのような、ホコリっぽい暗い場所ではなく、開かれた情報や楽しさを集結した場所となりつつあるが、この本も古いイメージを払拭してくれることだろう。「九冊は多すぎる」は、もろにケメルマンのパロディだが、見事な換骨奪胎として成立させている快(怪?)短編。2015/02/10
おしゃべりメガネ
197
児童書恐るべし!シリーズ第2弾ですが、前作よりさらに読む年齢層を意識してか、ミステリー要素が濃くなっています。といっても、ハラハラドキドキ的な感じではなく、あくまでもハートフルなストーリーで展開し、特に第3話の『幻の本』は涙する感動モノで、「こういうお話を読めるから読書っていいな」と思わせてくれました。前作以上に従姉の美弥子さんが活躍し、安川君もナイスガイになっています。個人的には図書館で働く天野さんが好きで、もう少しでてきてほしいところです。今後、ますます読者層を広げてほしい作品であり、作家さんです。2013/09/07
AKIKO-WILL
187
晴れた日は、図書館へいこうの続編!で、完結編かな?5つのストーリーと番外編が1つあり、盛りだくさんです。第3話の「幻の本」が一番好きですね。プロローグがステキですね。『人間は、想像力があるからこそ、四季を楽しんだり、夢を抱いたり、人を思いやったりすることが出来るんです。』この本を読むと図書館に行きたくなりますね!2016/04/27
佐々陽太朗(K.Tsubota)
153
良く晴れた秋の休日。「こんな天気のいい日に、家の中でじっとしているなんてもったいない」と図書館に出かける主人公の少女。いいですね。すばらしいですね。本好きにとって一つの理想がここにある。悪人が登場せず、人の死なない日常のミステリ。今、真夜中の十二時だが、早くも図書館に行きたくなってきた。禁断症状である。明日は土曜日。図書館に行こう。2013/11/15
ユメ
151
今作も、図書館のキラキラした魅力と小さな謎が、優しい雰囲気に包まれている。こんな素敵な司書さんと可愛らしい小学生たちがいる図書館に行けたら、ついレファレンスと謎解きをお願いしてしまいそう。子どもたちが眩しかった。しおりと安川くんの間に芽生えつつある、まだ名前の付かない感情が何とも微笑ましい。読書感想文が大好きな葉月ちゃんの「面白い本を読んだ後は感想を伝えたくなるし、きれいに文章にできると気持ちいい」という言葉がぐっとくる。伝える相手が他の人でも未来の自分でも、できる限りその時の感性を形にしたいな、と思う。2014/11/28