出版社内容情報
居候は超美形の“宇宙人”?? 期待の新鋭がほのぼのと温かな昭和を舞台に贈る、とびきりキュートでコミカルなラブストーリー!
内容説明
家事と仕事に日々追われる幸子が助けたのは、とびきり美形の変人・バシャリ。「円盤の故障で不時着した宇宙人」と自称する彼と同居するはめになった幸子は、破天荒な言動に振り回されつつも、本当に大切なものを見つめ直していく。心がほっこり温まる、昭和レトロな恋物語。
著者等紹介
浜口倫太郎[ハマグチリンタロウ]
1979年奈良県生まれ。放送作家として、関西発の番組に数多く携わる。2010年、第五回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞した『アゲイン』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モルク
89
戦後まだ女性が職業婦人として働くには大変だった時代に、主人公幸子は銀行に勤務しているが、結婚までの腰かけ、男性の補助、お茶くみそして現在では超問題になるであろう蔑視の罵倒を受けていた。そして宇宙人を名乗るパシャリとの出会い、困惑の中彼のペースに飲み込まれ……。パシャリの素朴な疑問に妙に納得。戦後ソ連抑留を経て帰還した父は全く別人に。母の苦労を知る幸子は父と距離を取っていたがパシャリのお陰で両親の真意を知り心を解かしていく。ちょっとユーモラスな宇宙人と昭和レトロの融合にほっこり。2021/04/02
ぶんこ
56
自宅の前で具合悪そうな男性を助けたら、自分は宇宙人と言う。幸子と同じく(変な人)と思っていたら、本当に宇宙人?。私も宇宙人は絶対にいると信じているので、結構羨ましかったり。銀行での男尊女卑の凄まじさは誇張されているとはいえ、少しは昭和30年代ならあったかな。お父さんが何も言わなかった為に、幸子が悩み苦しんだと思えば、やっぱり親しき中にも礼儀ありというか、言葉に出す事の大切さを痛感。バシャリがいてくれて、一番助かったのは、感情をうまく表現出来ないお父さんと健吉君だったのかもしれない。面白かったです。2016/09/15
優希
50
面白かったです。仕事に勤しむ幸子は美形の変人・バシャリを助けたことから始まる奇妙な物語。自らを宇宙人と言い張る彼と同居するというのにちょっとドキドキしました。破天荒さに振り回される幸子ですが、大切なことに気がついていくのがあたたかい空気に感じました。少し変わっていますが、ほっこりとした恋愛小説と言えますね。2023/08/25
はる
44
若い頃の星新一をモデルにした人物が出てきたりして楽しい。優しいファンタジーです。ドタバタな感じかな、と思いましたが、戦後間もない頃のお話しということで意外とシビアな描写もあり面白かったです。特に主人公幸子の男尊女卑の職場環境や、父親の戦争体験などが物語に深みを与えています。ラストも爽やか。2016/09/02
優希
42
再読です。自称宇宙人のパシャリの視点で世界を見ているような感覚になりました。家事と仕事に追われる幸子との同居生活の中で大切なものを取り戻していくのが愛おしかったです。破天荒だけれど、色々な「気づき」にあたたかい気持ちになりました。2024/10/05