内容説明
高級自転車、遺書、一通の封筒、大切な本…。あずかってと言われたものをあずかり、それがどんなものだろうと、一日百円。心やさしい店主・桐島透が営む、不思議なお店「あずかりやさん」を舞台に、お客さまが持ち込む「あずけもの」に隠されたそれぞれの思いと秘密が交差する。悩み傷ついていた心がじんわりと癒される物語。
著者等紹介
大山淳子[オオヤマジュンコ]
東京都出身。2006年、『三日月夜話』で城戸賞入選。2008年、『通夜女』で函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリ。2011年、『猫弁 死体の身代金』でTBS・講談社第3回ドラマ原作大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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誰か1人は死ぬ本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
seacalf
295
これは驚いた。ほろ苦い話は苦手なはずなのに、他にない独特の優しい心地良さがあるから読後感はとても温かい。これは自分好み。東京下町の商店街にひっそりと店を構えているのは、1日100円で何でも預かってくれるあずかりやさん。目の見えない若き店主の前には色々な事情と品物を抱えた客がやってくる。評判のよい児童書と思い読んでみたら、軽くたじろぐ程ほろ苦いストーリー。だが、しみじみとした余韻は爽やかだ。語り手達がユニークなのもいい。ポーチドエッグにマフィン、食べたくなってきたな。いや、それより続編を急いで読まなくては。2022/07/26
寂しがり屋の狼さん
294
書店にてなにげに手に取った作品です。 作品の中で時は静かに流れ、とても穏やかな気持ちになりました。 私は仕事でカウンセリングもおこなうのですが、他人との関わりかた、距離感、店主の立ち振舞いに心うたれました。2018/09/08
ダイ@2019.11.2~一時休止
273
連作短編集。一日100円で何でも預かるあずかりやさん。読み終わると温かい感じになってイイ。矢崎さんのぶたぶたシリーズ読んでる人はこちらも是非。2015/04/28
ひろ
223
目が見えない店主が、一日100円で預かってくれるお店の物語。店主が魅力的で、読んでいると心が浄化されていくような気になる。こんなお店があったら、預けるものがなくても入ってみたい。最後は意味深に終わっているが、続編があるようなので、そこでスッキリするのかな?店主が幸せになることを祈って、続編も読みたい。2018/02/05
紫綺
213
どんなものでも1日100円であずかる、「さとう」という紺のれんのあずかりやさん。記憶力と勘のいい盲目の店主が、様々な訳ありな預け人と織りなす、ちょっぴり切ないヒューマンドラマ。「トロイメライ」が泣かせる。2014/10/09