百年文庫

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 184p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784591119297
  • NDC分類 908.3
  • Cコード C0393

内容説明

「市場で象が暴れています」と連絡を受けた警察官が護身用のライフルを手にすると…。群衆に取りかこまれた男の痛切な経験(オーウェル『象を射つ』)。隣接した墓地に向かって傾いている三階建てのアパート。ユニークな住人たちの暮らしを描いた武田麟太郎の『日本三文オペラ』。南の島に君臨する行政官と助手はことあるごとに対立していた。屈辱を感じつづけた助手は大胆な行動を決意するが…(モーム『マッキントッシュ』)。民衆の力がすべてを飲みこんでいく物語。

著者等紹介

オーウェル[オーウェル][Orwell,George]
1903‐1950。イギリスの批評家、小説家。植民地時代のインドに生まれる。インド帝国警察を退官後、執筆活動を開始。労働者階級の生活を描いた『パリ・ロンドンどん底生活』で注目を集める

武田麟太郎[タケダリンタロウ]
1904‐1946。大阪市生まれ。東京帝大入学後、1929年に「文藝春秋」に『暴力』を発表し、プロレタリア作家としての地位を確立。32年発表の『日本三文オペラ』以降は、庶民の視点から風俗を描いた作品を発表する

モーム[モーム][Maugham,W.Somerset]
1874‐1965。イギリスの小説家、劇作家。貧民街で医療に従事した体験をもとに『ランベスのライザ』を発表し、作家デビュー。1919年『月と六ペンス』がベストセラーになる。旅をしながら執筆するが、58年に作家活動から引退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モモ

40
オーウェル『象を射つ』イギリスの植民地インドで警察官だったオーウェルのエッセイ。複雑な立場のオーウェルが、二千人もの群衆の期待に応えるため、意図せず象に発砲するまでの気持ち…。武田麟太郎『日本三文オペラ』傾いた3階建てのアパートに暮らす人々の悲喜こもごも。映画にしたら面白そう。モーム『マッキントッシュ』南の島の行政官ウォーカーと助手のマッキントッシュ。横暴なようだが、ウォーカーは島の自然を愛し、住民を家族のように愛していた。そんななか起こる事件。最後の泣ける場面からの衝撃の結末。この話は忘れられない。2023/02/26

臨床心理士 いるかくん

36
3人の作家による3篇からなるアンソロジー。サマセット・モームの「マッキントッシュ」が圧巻の素晴らしさ。2014/06/26

神太郎

35
オーウェルの作品は読んでいたら、別の作家の作品とテーマが似ていたからか、話がダブりつつ当時の世界情勢を多角的に感じることができ、なかなか面白かった。雑多な感じが面白かったのは「日本三文オペラ」。群像劇って書くのは大変でしょうが、ハマるとやはり面白いですね。「マッキントッシュ」は最初「マック」の事かなと思ったらまさかの人名…。いや時代が違うのだから気づけよというね。これは良作でした。行政官と助手マッキントッシュの物語。行政官最後まで憎々しい奴でいろよと思うんですが…、ちょっとラスト、グッときてしまった。2018/02/26

けんさん

33
『人が集まるところ、何が起こるかわからない』 ジョージ・オーウェルのエッセイ『象を射る』 警察官としてビルマで過ごしていたこともビックリだけど、逃げ出した象の射殺までしていたなんて… 先頭でライフルを持っていて、後ろに2000人もの人が見ていたら、すごいプレッシャーだな〜2022/08/03

阿呆った(旧・ことうら)

24
◆オーウェル「象を撃つ」…[再読]白人優位社会のはずなのに土人群衆の意見に逆らえないこと、土人と象の命どちらが重いのかなど、イデオロギーの皮肉をテーマにしていることが、オーウェルらしい。◆武田麟太郎「日本三文オペラ」…ボロアパートの大家と住民の様子を描いた作品。市井ものは井原西鶴の影響だとか。◆モーム「マッキントッシュ」…『俺様』気質で白黒、敵味方をはっきり分ける上司と、その部下、現地民の話。悪者が善く見えたり、思慮深い主人公が卑怯に見えたりと、人間の性質が、一元的なものでは無いことを教えてくれる作品。2017/02/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/879908
  • ご注意事項