内容説明
フランスの豪華客船に、怪盗ルパンが紛れこんでいるという知らせをうけ、乗客たちは騒然となる。金髪で、右腕に傷あとがあり、変名の頭文字はR―高慢な大金持ちから金品を盗み、貧しい人には力をかす、英雄的大泥棒・怪盗紳士アルセーヌ・ルパンが初めて登場した作品。
著者等紹介
ルブラン,モーリス[ルブラン,モーリス][Leblanc,Maurice]
1864年生まれ。フランスの小説家。雑誌社の依頼でアルセーヌ・ルパンを主人公とする短編「ルパン逮捕される」を発表して爆発的人気を博す。以後、『奇巌城』『8・1・3の謎』などの傑作を数多く残す。1941年没
南洋一郎[ミナミヨウイチロウ]
1893年生まれ。本名は池田宜政。野口英世等の伝記を池田宣政名義で、南洋一郎名義で『吼える密林』、『緑の無人島』などの冒険小説を執筆。戦後手がけた『怪盗ルパン全集』(ポプラ社刊)が圧倒的な人気を得た。1980年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ホームズ
9
子供向けに直されているので新潮文庫版や創元推理文庫よりも読みやすかった(笑)当たり前ですが(笑)少年探偵団のような冒険小説って感じで楽しめました(笑)2010/01/03
千本通り
8
巻末に小説家の貫井徳郎氏が「怪盗ルパン全集は翻訳作品ではなく、あくまで南洋一郎氏による翻案だった」と書かれていて、子供向けに書き換えられていると思われるが、最初から船内で女性の取り合いを描いたり、妻が夫に手紙を読まれたくないというような大人の事情も書かれていて、必ずしも子供向けとは言えない書かれ方である。だから今読んでも結構面白いのだが。2025/03/15
りず
7
本物を見分け、鮮やかに盗み出していく姿に、20年振りに読み直した今でも心底惚れた。女の口説き方もカッコ良くて、何度読んでもシビれる。ホームズより私はルパンの方が好き♥2011/01/25
rigmarole
6
印象度B+。出来すぎた話が多いですが、人の心理の裏をかくトリックの数々は痛快。様々なシーンを設定しており、そこに謎やスリルを散りばめ、「待ってました」的なオチがあるかと思えば、どんでん返しあり。飽きさせません。ところで本文からも感じましたが、解説を読んでも、ルブランは「原作」者となっていることからも、南氏の意訳、補足、創作がかなり入っているようです。娯楽として読み、更に、解説の貫井氏と同様、本書を懐かしの本として読む限りは、原作との差異はどうでもいい。講談調の文章を、面白く、懐かしく読むことができました。2016/05/30
ぼちぼちいこか
6
ルパン三世の実写版映画が出来たそうだ。ルパンと言えばモンキーパンチ氏のルパンが刷り込まれているが、こちらは本家アルセーヌ・ルパン。悪質な金持ちから金品を盗み弱者にばらまくという義賊でもある。頭の良さと、類な運動神経、それに柔道が得意とされている。 しかし心の美しい少女にはめっぽう弱い。孫のルパンが恋したクラリスと同じだ。ルパンが愛されているのはやはりキャラクターだと思った。読んでいて楽しかった。2014/08/30