ポプラ文庫
無芸大食―Tanabe Seiko Collection〈6〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 237p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784591111963
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「日々の喜びを小説の中に書いていきたい」(巻末の著者インタビューより)。食べることも料理をするのも大好きな著者が綴る、食にまつわる5篇の小説。オムライス、いわしのてんぷら、ブイヤベース…。食べものと人が織りなす物語をいきいきと描いた傑作短篇集。

著者等紹介

田辺聖子[タナベセイコ]
1928年大阪生まれ。樟蔭女子専門学校国文科卒。’64年「感傷旅行」で、第50回芥川賞を受賞以降、受賞多数。古典の現代語訳やエッセイも手がける。’95年紫綬褒章受章、’00年に文化功労者となり、’08年文化勲章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

80
面白かったです。食べることと料理が好きなのだなと伝わってくるような短編集でした。食べ物と人が織りなす恋物語はどれもこれも幸せな気分にさせてくれます。恋に美味しいものは必要不可欠ということなのでしょうか。2018/06/28

kaoriction@感想&本読みやや復活傾向

27
あぶたま を食べたくなった。ワイセツなあぶたま。ハハ。男と女、それぞれの人生模様と食にまつわる物語を集めた5つの短篇集。いわしのてんぷら、オムライス、素うどん、茹で豚…。昨今はお聖さんの言う「新しい料理小説」流行りではあるけれど、私はお聖さんのような地に足の着いた作品が好きだ。この短編集は中年以降の男と女の物語。その距離感、独特な間合いに、年をとるのも悪くないな、と思う。「人間、正しく生きたらあかんなあ」という力の抜け具合、私も持ちたい。食べて、寝て、仕事して、悩んで。そんなフツウの暮らしが実は一番幸せ。2014/09/24

四野一二三

8
再読。表題作の無芸大食が一番好きで、お腹がすいた時に必ず思い出す作品。いっそ下品とも言える衣の分厚い天ぷらやぼってりとした卵焼き、味の濃い惣菜の数々、目の前にずらっと並べられ、たっぷりの時間をかけて租借し、飲み込み、やがて緩やかに、あまやかな脂肪へと変わる。幸福とは、ごく単純に、うっすらと赤くのっぺりと白い脂肪のように日々を囲む惰性のようなものなのかもしれない。2016/04/21

たらこりっぷ

8
自分はもう十分にオトナだと考えていましたが、大間違いであることを実感。このお話に出てくるようなお付き合いは到底真似できません。まだまだ修行が足りませんね。枯れきっているわけでなく、ガツガツ貪るわけでもなく。こんなオトナになるにはどんな努力が必要なんだろうかと、考え込んでしまった次第です。ポプラ文庫の幅の広さにも感心しました。2012/07/19

Sakana

5
これまた食べ物をテーマにした短編集。田辺聖子の語り口がとてもすきだ。関西弁が心地よいのもあるが、なんといっても男と女が軽やかでさっぱりしているのが好ましい。私は「痴話」や「業務連絡」ではなく「会話」のできる女でありたいな。そしてそういう相手と共にありたい。でも業務連絡だけの夫婦関係に陥るなら、私は永久にシングルでいいや。気ままにおおらかに性と酒と食事を愛していきたい。いつかは妥協しなくてはならない時がくるのかもしれないけれど。2016/02/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/508899
  • ご注意事項

最近チェックした商品