クラウディアの祈り

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784591108536
  • NDC分類 K916
  • Cコード C8095

内容説明

戦後のシベリアで出会った、日本人男性とロシア人女性。過酷な体験を持つふたりは、たがいに支えあって、困難な日々を生きぬいていく―奇蹟の愛の物語。

目次

第1章 クラウディアを訪ねる旅(蜂谷家を訪ねて;クラウディアを訪ねて;ハバロフスク;シベリア鉄道)
第2章 引き裂かれた家族(彌三郎の生い立ち;久子との出会い;平壌での終戦;屈辱の留置場)
第3章 シベリア抑留(カーメラ(監房)へ
生き地獄のウルガル
マガダンのパリクマーヘル
日本からの小包
ソ連国籍取得
久子の戦後)
第4章 運命の出会い(プログレス村;「休息の家」;奇跡の出会い;クラウディアの決意;再会;帰国同意書;久子とクラウディアの手紙)
第5章 クラウディアからの手紙(別れ;復権証明書;孤独と再会;クラウディアの祈り)

著者等紹介

村尾靖子[ムラオヤスコ]
1944年、山口県に生まれる。結婚後、4人の子育てをしながら執筆活動を始める。この間の文芸活動に対して1994年、島根県文化奨励賞受賞。「ラジオ深夜便」(NHK)リポーター、「NNNドキュメント02~クラウディアの祈り シベリア・日本 妻たちの戦後~」(日本テレビ)などにも出演。地域に根ざしながらも幅広い取材活動を続け、『クラウディア奇蹟の愛』(海拓舎)でノンフィクションの新境地を開拓した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しいたけ

111
「他の人と違っていたとしたら、わたしは戦場ではないところで戦争を体験した」と語る彌三郎。平壌で迎えた終戦、軍人ではない彼がスパイ容疑で拘束され家族と生き別れた50年。シベリアでの人間性を奪う労働。ロシア人クラウディアと出会い、恐怖の生活を37年支え合い生きる。彼女の生い立ちも過酷で孤独で理不尽でやるせない。一人努力を重ね生き抜いてきた彼女だからこそ、彌三郎の妻が夫を待ち続けているとわかったときの「他人の悲しみのうえにわたしだけの幸福をきずくことはできません」との心中になる。三人の崇高さが胸をうつ。2019/03/29

はる

61
無実の罪でシベリアに拘留され、釈放された後も帰国が許されない彌三郎と、彼を愛し支えるクラウディア。そして、夫の帰りを51年間待ち続ける妻の久子。三人それぞれの波乱の人生と崇高な愛情を追ったノンフィクション。クラウディアは彌三郎を何とか日本に帰国させようと奔走します。そこには何の他意も迷いもない、ただ純粋な愛だけ。愛する人と別れなければならないのに、妻と娘のもとに帰そうとするクラウディアが本当に素敵。一人ぼっちになった彼女の様子が切ない…。それでも幸せそうなクラウディアの手紙に胸がいっぱいになる。おすすめ。2018/08/08

ゆうゆうpanda

48
絵本『クラウディアのいのり』は消化不良だった。「他人の悲しみの上に自分の幸福を築き上げることは、人道上許されるべきことではない」クラウディアの崇高な精神には頭が下がるが、男女の事だもの、絵本には収まりきらない機微があるはず。そして、実際にそれはあった。50年帰りを待ってくれた久子の心情に寄り添うクラウディア。久子に弥三郎を譲るというより、その姿に自分の姿を重ねて幸せを感じることにしたのだろう。余命が少ないという予想からの選択。それでも日本とロシアの変則的な家族は10年以上も交流できた。稀有な幸せの繋がり。2016/07/20

クリママ

45
絵本「クラウディアのいのり」で知ったのだが、これらの作品の前にTVのドキュメンタリー放映があり、それを観た作者が、当事者に取材を重ねて書かれたノンフィクション。終戦直後、スパイの疑いをかけられ長期間にシベリアに抑留され、その後も監視されつつソ連に暮さざるをえなかった蜂谷氏とその妻となったクラウディア。ソ連崩壊後にやっと日本へ連絡が取れ、朝鮮で生き別れとなった妻と娘が待ち続けていることを知る。「他人の悲しみのうえに、わたしだけの幸福をきずくことはできません」沢山の書簡の中にクラウディアの真実の心が見える。2019/02/23

ぶんこ

43
終戦直後に無実の罪で半世紀以上も日本に帰れなかった蜂谷さん。スパイの汚名を帯びた彼を37年間ソ連で支えたロシア人妻。北朝鮮で、生まれたばかりの女児と幼い男児とで突然夫を連行され、取り残された若き日本人妻。ソ連崩壊で日本への帰国の道が開かれた時、真の愛で夫の帰国に尽力したクラウディアさんの靭さ、深い愛情と孤独に心が暴れました。平和ボケで安穏と暮らしていた私の若き日々を思い出しては、同じ時期にロシアと日本で戦争の悲劇が続いていたと知ったのが衝撃でした。嘘の証言で蜂谷さんを苦しめた安岡さんも苦しんだと思いたい。2018/08/26

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