出版社内容情報
大ベストセラー「少年探偵」シリーズが、懐かしい装丁をそのままに、文庫化! 大金塊を求め、明智と少年探偵団は暗号をめぐる冒険に出る。【解説/東雅夫】
内容説明
東京郊外に建つ宮瀬家の洋館で起きた、大胆不敵な強盗事件。賊の狙いは、同家に伝わる巨額の埋蔵金の隠し場所を示す暗号文書だった。捜査に乗りだした名探偵明智と怪盗一味の手に汗にぎる攻防戦。敵のアジトに誘拐された小林少年の大活躍。命がけの大冒険の結末やいかに。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
1894年生まれ。本名は平井太郎。1923年『二銭銅貨』でデビュー。探偵小説の第一人者として『屋根裏の散歩者』『陰獣』『蜘蛛男』などの代表作を次々と発表。1936年、初の少年向け読み物『怪人二十面相』が評判を呼び、明智小五郎と少年探偵団が活躍する「少年探偵」シリーズとして現在も読み継がれている。1965年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
55
〔再読〕少年探偵シリーズ第4弾。この作品が書かれた時期は戦争中であり、諸事情から宿敵二十面相は登場しません。名家宮瀬家に伝わる金塊の隠し場所を示した暗号文を巡り、明智と少年探偵団が盗賊団と攻防を繰り広げます。謎、怪奇、冒険の三大要素がバランス良く堪能でき、このシリーズを読んで読書の愉しさを知りました。後半暗号を解いてたどり着いた岩屋島は、「孤島の鬼」の舞台になった島であり、読んだ人には分かる優越感にも浸れます。其にしても50年以上経って読んでも充分楽しめる、今の子供達にとってもそうあって欲しいと願います。2015/07/28
みっぴー
52
夏の風物詩といえば、乱歩横溝が自分の中で定着しつつあります。というわけで、少年探偵シリーズを読み進めていきます。これ、面白かったです!暗号、お宝、誘拐、女賊…堪らんです(>_<)小林少年が最後の鍵を所持していたとは。次は賢者の石とか出てくるのではないかしら。アウトドア用の服を着た明智さんを見られたのも嬉しかったです。もう少し賊に頑張って欲しかったけど、満足満足。バンザーイ\(^_^)/2017/05/17
coco夏ko10角
30
シリーズ第4弾、5冊目。3弾の解説で次は二十面相が出てこないとあり、このシリーズで二十面相が登場しない話ってどうなんだろう…?なんて読む前は思ってたけど、これはこれで面白かった。小林少年の活躍にワクワク、そして失敗は「やっぱりまだ少年なんだよなぁ」となんだか微笑ましく。2016/06/25
Yu。
29
隠された莫大な財宝をつけ狙う怪盗一味と小林少年との暗闇での息詰まる攻防をメインに置くという、少年少女の冒険心を掻き立てるまるごと小林少年づくしの第四弾。‥また本作は二十面相絡みではないのでいつものド派手な演出はないが、その代わりいい緊張感を保ちながらじっくりと物語に浸れます。2016/11/02
としP
19
展開が基本的に以前読んだ『青銅の魔人』にそっくりなような。やはり面白い江戸川乱歩的少年冒険譚!2017/09/12