内容説明
カニンダにとっては、家族を殺したユスル人に復讐すること、そのために反乱軍の少年兵として戦うことがすべてだった。だから、不本意に保護され里子に出されたロンドンの家になじもうとせず、アフリカの小国ラサイになんとかもどろうと、そればかりを考え日々を送っている。ロンドンの少年グループの争い、同じ学校にやってきた憎きユスル人の少年、そしてはからずも犯した罪にうちひしがれる里親の娘ローラ。かたくなになったカニンダの心がそこに見いだしたものは―?アフリカの少年兵と都会の子どもたち、出会ったそれぞれの心の傷と葛藤を、ティーンエイジャー向け小説の名手が描く話題作。
著者等紹介
アシュリー,バーナード[アシュリー,バーナード][Ashley,Bernard]
教師としての経験を生かして小説を書きはじめ、『リトル・ソルジャー』でカーネギー・ガーディアン両賞最終候補にノミネートされたのをはじめとして、現代イギリスのティーンエイジャーをもっともリアルに描き出す作家の一人と高く評価されている。小説のほか、舞台やテレビの脚本も手がけ、ロイヤル・テレビジョン・ソサエティ・アワードのベスト・チルドレンズ・エンターテイメント部門を受賞した
さくまゆみこ[サクマユミコ]
東京生まれ。出版社勤務を経て現在は翻訳家・玉川大学英米文学科講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
道錬
0
なるほど、環境を変えただけではこういう子供たちの心情は変化しないのかと、深く実感した。2016/08/30
mariko
0
アフリカの内戦で家族を殺され、反政府軍に加わった少年兵カニンダが、宗教団体に保護されてロンドンに渡る。固く心を閉ざす彼だったが、里親の娘ローラの事件をきっかけに心の進展を見せる…。ロンドンの不良グループとか子供たちの会話とか宗教団体の行動とか馴染みがなさすぎて今ひとつ心情移入できなかった。里親のお母さんも宗教的な大義のために里子を引き取るのはいいけど、ご飯は冷凍物ばかりでなくきちんと作ってほしいし自分の子供の幸せも考えて欲しかった。遠くばかりも見ないで足元の幸せもきちんと考えなければね、という教訓。2015/04/06
timeturner
0
「ホテル・ルワンダ」を思わせるような部族抗争の実態は部外者にはとうていはかりしれないものなのだろうが、それを貧困と無知の結果と軽々しく判断してはいけないんだな、と思わされた。2006/08/15
-
- 和書
- 文化進化の数理