出版社内容情報
明智探偵の少女助手、マユミさんには、少女弟子が2人いる。その3人が林のむこうに大きな時計塔をみつけた。またも事件か。
内容説明
さびしい原っぱにポツンとたっている、古いレンガづくりの時計屋敷。そびえたつ時計塔の屋根の上に、なにやらうごめく影が…。そのようすをじっと見つめていた、少女探偵マユミとふたりの少女。三人の目がとらえたものは、黒いマントをなびかせ、ふさふさの頭にニュッと二本の角をはやした、異様な姿のコウモリ男。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
明治27(1894)年10月21日、三重県名張町(現名張市)に生まれる。本名、平井太郎。早稲田大学在学中から、英米の推理小説を片っぱしから読む。卒業後、貿易会社、古本商、新聞記者などたくさんの職業を経験する。大正12(1923)年に『二銭銅貨』を「新青年」に発表。筆名の江戸川乱歩は、推理小説の始祖エドガー・アラン・ポーから取っている。その後、数多くの推理小説を精力的に書く。昭和11(1936)年「少年倶楽部」の求めに応じて書いた『怪人二十面相』がたいへんな人気を博し『少年探偵団』『妖怪博士』など少年少女に向けた作品を発表する。昭和40(1965)年没
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感想・レビュー
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Kircheis
106
★★☆☆☆ 今作は少女向け雑誌への連載なので少女が四十面相に狙われるパターンとなる。そしてそれに対する探偵役は満を持して小林少年がメインを張る! 明智だと完全無欠過ぎるので、小林君が探偵役の方がバランスが良かった。四十面相もやられっぱなしではない。 マユミも珍しくちゃんと探偵活動するし、見どころは多い。 ただし、既に20作目ということもあり、マンネリ感は拭えない。2020/03/02
植田 和昭
20
少女雑誌に掲載されたためいつもとは趣が異なっている。塔上の奇術師も設定がいつもと違う。残念ながら筆力も落ち、物語も限界に達したように思われる。乱歩作品は1925年頃がピークだなあ。2021/03/07
チャリー・コグコグ
8
児童書版、設定や会話は流石に時代感を感じますね。自分は子供の頃この手の本を楽しめる子ではなかったから、大人になってから楽しみます。2017/08/29
Clean John
7
コウモリ、ピエロ、白い幽霊、なんだかいっぱい登場して、時計塔の上で舞うという怪しげな演出。児童向けのためか、少々単調な気もしますが、小林少年と四十面相の騙しあいは水戸黄門シリーズのような安心感があります。2019/09/28
mintjam_
4
宝石の為とはいえ、子どもを人質にとるのはどうだろうか。 盗みの腕で勝負して欲しいものだが、もはやネタ切れになっている感。今回のコスプレショーはバットマンとジョーカーもどき。2020/06/28